新しい Ultra Light データベースを作成します。このユーティリティはコマンドライン引数 (「空モード」) で指定された特性を持つ空のデータベースを作成するか、SQL Anywhere データベースの「抽出モード」に基づいてデータベースを作成できます。後者の場合、SQL Anywhere 参照データベースのテーブルおよびインデックスと一致する初期スキーマが作成されます。さらに、多くの SQL Anywhere 参照データベース特性が新しい Ultra Light データベースに使用されます。
下の使用例では、一部のオプションは「抽出モード」でのみ許容され、その他のオプションは「空モード」でのみ許容されます。説明にモードが指定されていない場合、オプションはいずれかのモードで使用できます。
ulinit options dbname
オプション | 説明 |
---|---|
@data | これを使用すると、指定された環境変数または設定ファイルからオプションを読み込むことができます。同じ名前の環境変数と設定ファイルが両方存在する場合は、環境変数が使用されます。 設定ファイルを参照してください。 |
-a " keyword=value;..." または --SAconnect="keyword=value;..." |
ユーティリティを「抽出」モードに設定して、指定された接続パラメーター (抽出モード) を使用して、既存のデータベースに接続します。このオプションがない場合は、ユーティリティは指定された接続パラメーター (空モード) を使用して、新しいデータベースを作成します。 |
-c または --case |
空モード。 すべての文字列比較で大文字と小文字の区別を強制します。 |
-d または --datacopy |
抽出モード。 新しい Ultra Light データベースの各テーブルに、SQL Anywhere データベースの対応するテーブルからデータをコピーします。デフォルトでは、これ以降の同期時にこのデータがアップロードされません。次の同期時にデータをアップロードするには、-i と同時に -d を使用します。 |
--date_format=format |
空モード。 データベースから取り出した日付のフォーマットを設定します。Ultra Light date_format 作成パラメーターを参照してください。 |
--date_order=date-format-interpretation |
空モード。 日付フォーマットの解釈を設定します。Ultra Light date_order 作成パラメーターを参照してください。 |
-e value または --fips=value |
空モード。 On または Off、1 または 0 など。このオプションは、Certicom 認定暗号化アルゴリズムを使用した AES FIPS 認定暗号化を制御します。Ultra Light データベースのセキュリティとUltra Light fips 作成パラメーターを参照してください。 |
-f または --exactschema |
抽出モード。 同じスキーマが Ultra Light でサポートされていない場合は失敗します。スキーマが異なる場合は、警告が表示されます。 |
-g id または --databaseid=id |
初期データベース ID を、指定する INTEGER 値に設定します。この初期値と分割サイズが、グローバルオートインクリメントカラムがある新しいローに使用されます。アプリケーションを配備するときには、Mobile Link サーバーとの同期のために、各データベースに対して異なる ID 番号の範囲を割り当てます。 Ultra Light global_database_id オプションを参照してください。 |
-i または --insertforupload |
抽出モード。 -d とともに使用します。挿入されたローを次の同期時にアップロードします。デフォルトでは、このユーティリティによって挿入されたローは、同期時にアップロードされません。 |
--identity-file = file | クライアントの TLS ID を含むファイルを指定します。identityを参照してください。 |
--identity-password = password | クライアント TLS ID のパスワードを指定します。 identity_passwordを参照してください。 |
-k key または --key=key |
抽出モード。 暗号化されたデータベースで使用する暗号化キーを指定します。 |
-K または --prompt |
空モード。 暗号化キーの入力を求めるプロンプトを表示するよう指定します。 |
-l logfile または --sql=logfile |
抽出モード。 実行時に DDL データベーススキーマ作成の SQL 文のログを logfile に取ります。 |
--log=filename |
空モード。 指定したファイルに操作のログを記録します。 |
-m filename または --mirror_file=filename |
抽出モード。 データベースミラーファイルを指定します。Ultra Light MIRROR_FILE 接続パラメーターを参照してください。 |
--max_hash_size=size |
空モード。 デフォルトのインデックスハッシュサイズをバイト単位で設定します。Ultra Light max_hash_size 作成パラメーターを参照してください。 |
-n pubname または --publication=pubname |
抽出モード。 必須。テーブルを Ultra Light データベーススキーマに追加します。 pubname は、リファレンスデータベース内のパブリケーションを指定します。パブリケーション内のテーブルは、Ultra Light データベースに追加されます。 複数のパブリケーションからのテーブルを Ultra Light データベースに追加するには、オプションを複数回指定します。リファレンスデータベース内のすべてのテーブルを Ultra Light データベースに追加するには、-n* を指定します。 |
--nearest_century=yy |
空モード。 文字列から日付への変換で、2 桁の年の解釈を制御します。Ultra Light nearest_century 作成パラメーターを参照してください。 |
-o value または --obfuscate=value |
空モード。 On または Off、1 または 0 など。データベースのデータを難読化するかどうか制御します。難読化は単純暗号化です。Ultra Light データベースのセキュリティとUltra Light obfuscate 作成パラメーターを参照してください。 |
-p size または --page_size=size |
空モード。 データベースページサイズを指定します。 |
--precision=precision |
空モード。 計算結果が小数の場合の最大桁数を指定します。Ultra Light precision 作成パラメーターを参照してください。 |
-q または --quiet |
空モードと抽出モード。 ユーティリティをクワイエットモードで実行するように設定します。情報のバナー、バージョン番号、ステータスメッセージが非表示になります。エラーメッセージと警告は引き続き表示されます。 |
-r size または --reserve_size |
データベースの接続のみ。 サイズを予約します。Ultra Light RESERVE_SIZE 接続パラメーターを参照してください。 |
-s pubname または --sync_publication |
抽出モード。 リファレンスデータベースの pubname と同じ定義を持つパブリケーションを Ultra Light データベースに作成します。パブリケーションは、同期の設定に使用されます。複数の同期パブリケーションを指定するには、複数の -s オプションを指定します。 このパブリケーション内のテーブルが -n オプションでリストされたパブリケーションに含まれている必要があります。 -s を指定しないと、Ultra Light リモートデータベースにパブリケーションが指定されません。 Mobile Link との同期用のパブリケーションを作成する方法については、Ultra Light でのデータのパブリッシュを参照してください。 |
-S checksum_level または --checksum_level=checksum_level |
空モード。 0、1、または 2。データベースページでチェックサムレベルの検証を指定します。Ultra Light checksum_level 作成パラメーターを参照してください。 |
--scale=scale |
空モード。 計算結果が最大精度でトランケートされる場合の、小数点以下の最小桁数を指定します。Ultra Light scale 作成パラメーターを参照してください。 |
-t file または --rootcert=file |
空モードと抽出モード。 信頼できるルート証明書を含むファイルを指定します。この証明書は、サーバー認証に必要です。 |
--time_format=format |
空モード。 データベースから取り出した時刻のフォーマットを設定します。Ultra Light time_format 作成パラメーターを参照してください。 |
--timestamp_format=format |
空モード。 データベースから取り出したタイムスタンプのフォーマットを設定します。Ultra Light timestamp_format 作成パラメーターを参照してください。 |
--timestamp_increment=increment |
空モード。 Ultra Light でのタイムスタンプのトランケート方法を指定します。Ultra Light timestamp_increment 作成パラメーターを参照してください。 |
--timestamp_with_time_zone_format= format |
空モード。 このオプションでは、データベースから取り出した TIMESTAMP WITH TIME ZONE 値のフォーマットを設定します。Ultra Light timestamp_with_time_zone_format 作成パラメーターを参照してください。 |
-u <uid>,<pwd> または --dba=<uid>,<pwd> |
データベースの接続のみ。 ユーザー ID とパスワードを指定します。 |
--utf8_encoding=value |
空モード。 On または Off、1 または 0 など。Unicode 用の 8 ビットマルチバイトエンコードである UTF-8 フォーマットでデータをエンコードします。Ultra Light 文字セットとUltra Light utf8_encoding 作成パラメーターを参照してください。 |
-w または --nowarnings |
抽出モード。 警告を表示しません。 |
-x table または --exclude |
抽出モード。 リスト内に指定されたテーブルを除外します。 |
-y または --overwrite |
空モードと抽出モード。 既存のデータベースファイルを上書きします。 |
-z collation-sequence または --collation=collation-sequence |
空モード。 照合順を指定します。 |
-Z または --listcollation |
空モード。 使用可能な照合順をリストして終了します。 |
-? または --help |
ユーティリティの使用法を表示し、終了します。 |
SQL Anywhere リファレンスデータベースは、使用する場合、次のソースとして機能します。
これらを組み合わせて、Ultra Light スキーマ (新しい Ultra Light データベースの構造を定義する情報) を作成できます。ただし、-d オプションを使用しないかぎり、作成する新しいデータベースは、最初は空です。
抽出モードで実行する場合、ULINIT は、SQL Anywhere データベースとできるだけ厳密に一致する Ultra Light データベースを作成しようとします。たとえば、SQL Anywhere データベースのカラムに含まれる句が Ultra Light ではサポートされていない場合、デフォルト値は無視され、代わりに Ultra Light のデフォルト値が使用されます。警告が生成され、作成が続行されます。これは、SQL Anywhere テーブルを変更できなくても、Ultra Light の妥当な代替手段を使用できるような場合をサポートしています。スキーマの完全一致を強制するには、-f オプションを使用します。スキーマが Ultra Light の妥当な代替手段をサポートしていない場合は、ulinit は失敗します。
SQL Anywhere 以外の RDBMS から Ultra Light データベースを初期化するには、Sybase Central の同期モデル作成ウィザードを使用します。このウィザードを実行すると、スキーマ情報を取得するために統合データベースに接続するように求められます。
Ultra Light では、リファレンスデータベースで定義されていた照合順の名前が使用されます。ただし、utf8_encoding プロパティを設定することで、データベースを UTF-8 を使用してエンコードできます。
コマンドプロンプトで ulinit -Z を実行すると、サポートされている照合と対応するコードページのリストが表示されます。選択した照合順が Ultra Light でサポートされていない場合は、サポートされている照合順に変更してください。たとえば、リファレンスデータベースの照合が UCA 照合の場合は、次の手順に従います。
リファレンスデータベースをアンロードし、別の照合を使用して再ロードします。
この新しいバージョンのデータベースで ulinit を実行します。
TestPublication で定義されているテーブルを含む customer.udb というファイルを作成します。
ulinit -a "DSN=MySADb;UID=JimmyB;PWD=secret" -n TestPublication -k mykey customer.udb |
この例では、MySADb データソースで定義された SQL Anywhere データベースに接続します。これにより、そのデータベースからのすべてのデータベースオプションと TestPublication パブリケーションに含まれるすべてのテーブルを含む Ultra Light データベースが作成されます。新しい Ultra Light データベースは customer.udb と呼ばれ、mykey で暗号化されます。
2 つの異なるパブリケーションを含む customer.udb というファイルを作成します。Pub1 には、優先的に同期するデータのサブセットが含まれ、Pub2 には残りのデータが含まれます。
ulinit -a "DSN=MySADb;UID=JimmyB;PWD=secret" --exactschema -n Pub1 -n Pub2 -s Pub1 -s Pub2 customer.udb |
この例では、MySADb データソースで定義された SQL Anywhere データベースに接続します。これにより、そのデータベースからのすべてのデータベースオプションと Pub1 および Pub2 パブリケーションに含まれるすべてのテーブルを含む Ultra Light データベースが作成されます。また、Pub1 および Pub2 パブリケーションで新しい Ultra Light データベースも作成されます。--exactschema オプションが設定されているので、ulinit は正確なスキーマをすべて抽出できないと失敗します。
別の customer.udb ファイルがあれば、それを上書きする新しい空のデータベースを作成します。新しいデータベースにはスキーマがなく、データベース オプションはすべてデフォルト値に設定されています。
ulinit -y customer.udb |
![]() |
DocCommentXchange で意見交換できます
|
Copyright © 2012, iAnywhere Solutions, Inc. - SQL Anywhere 12.0.1 |