データベース・サーバ・キャッシュ・サイズの設定を目的とした Windows での Address Windowing Extensions (AWE) の使用を有効にします。
{ dbsrv11 | dbeng11 } -cw ...
Windows
データベース・サーバ・キャッシュで使用できるキャッシュ・メモリの量は、パフォーマンスを制御する主要な要因の 1 つになります。Windows は Address Windowing Extensions をサポートしているため、-cw オプションを使用して、システムに搭載されている最大物理メモリを基にサイズの大きいキャッシュを利用できます。
AWE キャッシュは、64 ビットの SQL Anywhere データベース・サーバではサポートされていません。
オペレーティング・システム | 最大キャッシュ・サイズ (非 AWE) | Windows がサポートする最大メモリ・サイズ |
---|---|---|
Windows 2000 Professional | 1.8 GB | 4 GB |
Windows 2000 Server | 1.8 GB | 4 GB |
Windows 2000 Advanced Server | 2.7 GB1 | 8 GB |
Windows 2000 Datacenter Server | 2.7 GB1 | 64 GB |
Windows XP Home Edition | 1.8 GB | 2 GB |
Windows XP Professional | 1.8 GB | 4 GB |
Windows Server 2003、Web Edition | 1.8 GB | 2 GB |
Windows Server 2003、Standard Edition | 1.8 GB | 4 GB |
Windows Server 2003、Enterprise Edition | 2.7 GB1 | 32 GB |
Windows Server 2003、Datacenter Edition | 2.7 GB1 | 64 GB |
Windows Vista Ultimate | 2.7 GB2 | 4 GB |
Windows Vista Enterprise | 2.7 GB2 | 4 GB |
Windows Vista Business | 2.7 GB2 | 4 GB |
Windows Vista Home Premium | 2.7 GB2 | 4 GB |
Windows Vista Home Basic | 2.7 GB2 | 4 GB |
Windows Vista Starter | 2.7 GB2 | 1 GB |
1 Windows XP/200x の場合は、このサイズのキャッシュを使用するには、/3GB オプションを使用してオペレーティング・システムを起動する必要があります。
2 Windows Vista の場合は、このサイズのキャッシュを使用するには、管理者として次のコマンドを実行した後にオペレーティング・システムを再起動する必要があります。
bcdedit /set increaseuserva 3072 |
AWE キャッシュを使用している場合、システムで使用可能なほとんどの物理メモリをキャッシュに割り当てることができます。
非 AWE キャッシュを使用して必要なサイズのキャッシュを設定できる場合は、そちらをおすすめします。AWE キャッシュで割り当てられるメモリはデータベース・サーバでしか使用できないためです。つまり、データベース・サーバの実行中は、オペレーティング・システムやその他のアプリケーションは、データベース・サーバ・キャッシュに割り当てられたメモリを使用できません。AWE キャッシュでは、動的なキャッシュ・サイズの変更はサポートされていません。このため、AWE キャッシュを使用するときに、-ch または -cl オプションを指定してキャッシュ・サイズの上限と下限を設定しても無視されます。
デフォルトでは、アドレス領域のうち 512 MB が SQL Anywhere AWE キャッシュ以外の目的に確保されます (アドレス領域とは、ある時点にプログラムがアクセスできるメモリの量をいいます)。ほとんどの場合は、この量で十分ですが、-cm オプションを使用して、確保されるアドレス領域のサイズを変更することもできます。
Windows Vista では、昇格されたデータベース・サーバのみ AWE メモリを使用できます。Windows Vista でデータベース・サーバを自動的に起動する場合は、自動的に起動されるデータベース・サーバの実行プログラムが昇格するよう、接続文字列で ELEVATE=YES を指定する必要があります。Elevate 接続パラメータを参照してください。
AWE キャッシュを使用してデータベース・サーバを起動するには、次の条件があります。
Windows Vista の場合は、管理者としてデータベース・サーバを実行する必要があります。
システムで使用可能なメモリが少なくとも 130 MB 必要です。
Windows XP/200x では、システムのメモリが 2 GB ~ 16 GB の場合、boot.ini ファイルの [operating systems] セクションの Windows ブート行に /3GB オプションを追加してください。
Windows Vista では、システムのメモリが 2 GB ~ 16 GB の場合、管理者として次のコマンドを実行する必要があります。
bcdedit /set increaseuserva 3072 |
Windows XP/200x では、システムのメモリが 16 GB を超える場合は、boot.ini ファイルの [operating systems] セクションの Windows ブート行に /3GB オプションを追加しないでください。Windows では、16 GB を超えるメモリは処理できないからです。
Windows XP/200x では、システムのメモリが 4 GB を超える場合は、boot.ini ファイルの [operating systems] セクションの Windows ブート行に /PAE オプションを追加してください。
Windows Vista では、システムのメモリが 4 GB を超える場合は、管理者として次のコマンドを実行してください。
bcdedit /set pae ForceEnable |
サーバを実行中のユーザ ID に「メモリにページをロック」権限を付与します。ここでは、Windows XP での手順を説明します。
管理者として Windows にログオンします。
[コントロール パネル] を開きます。
[管理ツール] をダブルクリックします。
[ローカル セキュリティ ポリシー] をダブルクリックします。
左ウィンドウ枠の [ローカル ポリシー] を開きます。
[ユーザー権利の割り当て] をダブルクリックします。
右ウィンドウ枠の [メモリ内のページのロック] ポリシーをダブルクリックします。
[ユーザーまたはグループの追加] をクリックします。
ユーザ名を入力し、[OK] をクリックします。
[メモリ内のページのロック] ウィンドウで [OK] をクリックします。
開いているウィンドウをすべて閉じ、コンピュータを再起動して設定を有効にします。
-cw オプションと -c オプションをコマンド・ラインで指定すると、データベース・サーバは次のように初期キャッシュを割り当てようとします。
AWE キャッシュは、-c オプションで指定されたキャッシュ・サイズよりも大きくなることはありません。-c オプションで指定された値が 2 MB より小さい場合、AWE は使用されません。
AWE キャッシュは、使用可能なすべての物理メモリから 128 MB を引いた容量を上回ることはありません。
AWE キャッシュは 2 MB より小さくなることはありません。この最小容量の物理メモリが使用可能でない場合、AWE キャッシュは使用されません。
-cw オプションを指定し、-c オプションを指定しないと、データベース・サーバは次のように初期キャッシュを割り当てようとします。
AWE キャッシュは、使用可能なメモリのうち、128 MB をオペレーティング・システムで使用して、それ以外の容量を 100% 使用します。
AWE キャッシュは、コマンド・ラインで指定されたメイン・データベース・ファイルの合計サイズを上回ることはありません。メイン・データベース・ファイル以外の追加の DB 領域は、この計算の対象とはなりません。ファイルを指定しないと、この値は 0 になります。
AWE キャッシュは 2 MB より小さくなることはありません。この最小容量の物理メモリが使用可能でない場合、AWE キャッシュは使用されません。
サーバが AWE キャッシュを使用する場合、キャッシュ・ページ・サイズは 4 KB 以上となり、動的キャッシュ・サイズ決定は無効になります。
パフォーマンス向上のためのキャッシュの使用を参照してください。
次の例は、myserver という名前のサーバをキャッシュ・サイズ 12 GB で起動し、データベース c:\test\mydemo.db をロードします。
dbeng11 -n myserver -c 12G -cw c:\test\mydemo.db |
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