SQL Anywhere は、クライアント・アプリケーションにとっては Open Server として機能します。この機能を使用すると、Sybase Open Client アプリケーションは SQL Anywhere データベースにネイティブに接続できます。
単に、Sybase のアプリケーションを SQL Anywhere とともに使用するだけの場合は、Open Client、Open Server、または TDS の詳細を知る必要はありません。しかし、これらのコンポーネントがどのように互いに適合するかを理解すれば、データベースの設定やアプリケーションの設定に役立ちます。この項では、これらのコンポーネントが互いにどう適合するかを説明しますが、それぞれの内部機能についての説明は省略します。
SQL Anywhere とその他の Adaptive Server ファミリのメンバは、「Open Server」として動作します。つまり、Sybase から入手可能な「Open Client」ライブラリを使用して、クライアント・アプリケーションを開発できます。Open Client には、Client Library (CT-Library) インタフェース、旧式の DB-Library インタフェースの両方が含まれています。
Open Client アプリケーションを開発して SQL Anywhere とともに使用する方法については、Sybase Open Client APIを参照してください。
Open Client と Open Server は、「Tabular Data Stream」 (TDS) と呼ばれるアプリケーション・プロトコルを使用して情報を交換します。Sybase Open Client ライブラリを使用して構築されたすべてのアプリケーションは、TDS アプリケーションでもあります。これは、Open Client ライブラリが TDS インタフェースを使用するためです。ただし、(jConnect などの) 一部のアプリケーションは、Sybase Open Client ライブラリを使用しませんが、TDS アプリケーションです。これらのアプリケーションは、TDS プロトコルを使用して直接通信します。
多くの Open Server が Sybase Open Server ライブラリを使用して TDS へのインタフェースを処理していますが、固有の TDS への直接インタフェースを持つアプリケーションもあります。Sybase の Adaptive Server Enterprise と SQL Anywhere には、両方とも内部 TDS インタフェースがあります。両方ともクライアント・アプリケーションには Open Server として表示されますが、Sybase Open Server ライブラリを使用しません。
SQL Anywhere は 2 種類のアプリケーション・プロトコルをサポートします。Open Client アプリケーションと Sybase アプリケーション (Replication Server、OmniConnect など) では、TDS を使用します。ODBC アプリケーションと Embedded SQL アプリケーションでは、それぞれ個別に、SQL Anywhere に特有のアプリケーション・プロトコルを使用します。
TDS のようなアプリケーション・プロトコルは、ネットワーク・トラフィックを処理する下位レベルの通信プロトコルの一番上に位置します。SQL Anywhere は、TCP/IP ネットワーク・プロトコル上でのみ TDS をサポートします。それに対し、SQL Anywhere 固有のアプリケーション・プロトコルは、さまざまなネットワーク・プロトコルと、同一コンピュータでの通信用に設計された共有メモリ・プロトコルをサポートします。
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