「動的トラップ」は、特定のプロパティ、統計、またはオプションの値を含む単純な式の評価が true である場合に SQL Anywhere Extension Agent によって送信されるトラップです。動的トラップは、sasnmp.ini ファイル内に作成されます。sasnmp.ini ファイル・エントリ内のトラップ情報のフォーマットは次のとおりです。
Traptrapnum=[1.3.6.1.4.1.897.2.]oid[.dbnum] op value |
trapnum 動的トラップの番号です。開始値が 1 の連番になっている必要があります。
oid プロパティ、統計、またはオプションの OID です。SQL Anywhere MIB 内または RDBMS MIB 内の OID がサポートされます。指定された OID が有効な SQL Anywhere OID または RDBMS OID ではない場合は、SQL Anywhere MIB プレフィクス 1.3.6.1.4.1.897.2. が先頭に追加されます。
SQL Anywhere MIB 内の OID の詳細については、SQL Anywhere MIB リファレンスを参照してください。
RDBMS MIB 内の OID の詳細については、RDBMS MIB リファレンスを参照してください。
動的トラップでは、データベース・サーバまたはデータベースのプロパティ、統計、またはオプションに対応する OID のみ使用できます。
dbnum データベース番号です。このフィールドはオプションですが、指定する場合は sasnmp.ini ファイルの [DBn] セクションのデータベース番号と一致する番号を指定する必要があります。
op 次のいずれかの値を指定します。
= または == (等しい)
!=、<>、または >< (等しくない)
<= または =< (以下)
>= または => (以上)
< (より小さい)
> (より大きい)
値が文字列の場合、等しいか等しくないかの評価のみがサポートされます。
value 式内で使用する値です。文字列値は、一重引用符または二重引用符で囲む必要があります。これらの引用符は値の一部として扱われません。開始引用符または終了引用符を文字列に含める必要がある場合は、それらを二重に指定する必要があります。文字列内に出現する一重引用符は二重にしないでください。
動的トラップを設定するとき、単位をキロバイト、メガバイト、ギガバイト、またはテラバイトで指定するには、それぞれ k、m、g、または t を使用します。たとえば、次のように指定することで、現在のキャッシュ・サイズが 200 MB を超えた場合にトラップがトリガするように、動的トラップを設定できます。
Trap1=1.3.6.1.4.1.897.2.1.1.11.1 > 200M |
sasnmp.ini ファイル内には、任意の数の Trap フィールドを指定できます。トラップに使用される OID は 1.3.6.1.4.1.897.2.4.1
です。トラップとともに送信されるデータには次のものがあります。
トラップ番号 (SQL Anywhere SNMP Agent によって送信される動的トラップの番号は開始値が 1 の連番)
データベース・インデックス
データベース名トラップ・インデックス (sasnmp.ini ファイル内の値)
変数名
変数値 (変数の現在値。閾値になるとはかぎらない。)
動的トラップは、いったんトリガされると、トリガを引き起こした条件が FALSE に変わり、その後再び TRUE になるまで、再送信されません。
たとえば、1.1.11.1 >= 51200K という式を使用して動的トラップを設定した場合、サーバのキャッシュ・サイズが 50 MB (51200 KB) に達すると、トラップがトリガされます。この時点で、この動的トラップは無効になり、それ以上送信されません。このトラップが再び有効になるのは、キャッシュ・サイズがその後 50 MB 未満になった場合だけです。この後でキャッシュ・サイズが 50 MB に戻ると、そのことが通知されます。
トラップ情報 | 説明 |
---|---|
Trap1=1.1.5 > 10000 | サーバから送信されたデータが 10000 バイトを超えると、トラップが送信される。 |
Trap2=1.3.6.1.2.1.39.1.4.1.4.14.1 = 10485760 | トランザクション・ログ・ファイルのサイズが 10 MB を超えると、トラップが送信される。 |
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