カーソルの感知性と独立性レベルはどちらも同時制御の問題を処理しますが、それぞれ方法や使用するトレードオフのセットが異なります。
トランザクションの独立性レベルを選択することで (通常は接続レベルを選択)、データベースのローに対するロックの種類とタイミングを設定します。ロックすると、他のトランザクションはデータベースのローにアクセスしたり修正したりできなくなります。通常、保持するロックの数が多くなるほど、同時に実行されているトランザクションにおける同時実行レベルは低くなると予期されます。
ただし、ローをロックしても、同じトランザクションの別の部分では更新が行われます。したがって、更新可能な複数のカーソルを保持する 1 つのトランザクションでは、ローをロックしたとしても、更新内容の消失などの現象が起こらないとは保証されません。
スナップショット・アイソレーションは、各トランザクションでデータベースの一貫したビューを表示することで、読み込みロックの必要性を排除します。完全に直列化可能なトランザクション (独立性レベル 3) に依存せず、独立性レベル 3 を使用することで同時実行性を失うことなく、データベースの一貫したビューを問い合わせできるというのは大きな利点です。ただし、スナップショット・アイソレーションの場合は、すでに実行中の同時実行のスナップショット・トランザクションとまだ開始していないスナップショット・トランザクションの両方の要件を満たすために修正されたローのコピーを保持する必要があるため、多大なコストがかかります。このようにコピーを保持する必要があるため、スナップショット・アイソレーションの使用は更新を頻繁に行う負荷の高いトランザクションには適していない場合があります。スナップショット・アイソレーションのレベルの選択を参照してください。
これに対して、カーソルの感知性は、カーソルの結果に対してどの変更を表示するか (または表示しないか) を決定します。カーソルの感知性はカーソル・ベースで指定するため、他のトランザクションと同じトランザクションの更新アクティビティの両方に影響しますが、影響度は指定されたカーソル・タイプによって異なります。カーソルの感知性を設定しても、データベースのローをロックするタイミングを直接指定することにはなりません。ただし、カーソルの感知性と独立性レベルを組み合わせて使用することで、特定のアプリケーションで発生する可能性のある各種の同時実行シナリオを制御できます。
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