SQL Anywhere には、Web サービスを提供したり、他の SQL Anywhere データベースの Web サービスやインターネットを介して使用できる標準の Web サービスにアクセスするための、組み込みの HTTP サーバが含まれています。SOAP はこの目的に使用される標準ですが、SQL Anywhere の組み込みの HTTP サーバでは、クライアント・アプリケーションからの標準の HTTP 要求や HTTPS 要求も処理できます。
「Web サービス」という用語は、さまざまな意味で使用されています。通常は、コンピュータ間のデータの転送と相互運用性を支援するソフトウェアを指します。本質的に、Web サービスはビジネス論理のセグメントをインターネットを介して使用できるようにします。「Simple Object Access Protocol」 (SOAP) は XML ベースの単純なプロトコルで、SOAP を使用するとアプリケーションは HTTP を介して情報をやりとりできるようになります。
SOAP は、Java や Visual C# などの Microsoft .NET 言語で記述されたアプリケーション同士がインターネットを介して通信する方法を提供します。SOAP メッセージは、サーバが提供するサービスを定義します。実際のデータ転送は、関連情報を効果的にエンコードするよう構造化された XML ドキュメントを交換できるよう、通常は HTTP を使用して行われます。SOAP 通信に参加するクライアントまたはサーバなどのアプリケーションはすべて SOAP ノードまたは SOAP 終了ポイントと呼ばれます。このようなアプリケーションは、SOAP メッセージを送信、受信、処理できます。SOAP ノードは、SQL Anywhere を使用して作成できます。
SOAP 規格の詳細については、 http://www.w3.org/TR/2000/NOTE-SOAP-20000508/ を参照してください。
SQL Anywhere のコンテキストにおいて、Web サービスという用語は、SQL Anywhere に標準の SOAP 要求を受信して処理する機能があることを意味しています。SQL Anywhere の Web サービスは、クライアント・アプリケーションに対して、JDBC や ODBC などの従来のインタフェースの代用を提供します。Web サービスへは、各種の言語で記述され、各種のプラットフォームで実行されるクライアント・アプリケーションからアクセスできます。Perl や Python などの一般的なスクリプト言語でも Web サービスにアクセスできます。Web サービスは、CREATE SERVICE 文を使用してデータベースに作成できます。
SQL Anywhere は、SOAP または HTTP クライアントとしても機能し、データベース内で実行中のアプリケーションが、インターネットで使用できる標準の Web サービスまたは SQL Anywhere データベースで提供されている Web サービスにアクセスできるようにします。このクライアント機能は、ストアド関数またはストアド・プロシージャを使ってアクセスされます。
さらに、Web サービスとは、組み込みの Web サーバを使用してクライアントからの HTTP 要求を処理するアプリケーションのことも指します。通常これらのアプリケーションは、従来のデータベースに基づく Web アプリケーションのように機能しますが、よりコンパクトで、データとアプリケーション全体がデータベース内に存在できるため、書き込みが簡単です。このようなアプリケーションでは、Web サービスは通常、HTML フォーマットのドキュメントを返します。GET、HEAD、POST メソッドをサポートしています。
データベース内の Web サービスの集合が、使用可能な URL を定義します。各サービスには Web ページのセットがあります。通常、これらのページの内容はデータベース内に記述および格納されたプロシージャによって生成され、単一文の場合もあれば、オプションでユーザ自身が文を実行することもできます。これらの Web サービスは、HTTP 要求の受信を可能にするオプションのあるデータベース・サーバを起動すると使用可能になります。
Web サービス要求を処理する HTTP サーバがデータベースに組み込まれているため、パフォーマンスに優れています。Web サービスを使用するアプリケーションは、データベースとデータベース・サーバ以外の追加のコンポーネントが必要ないため、簡単に配備されます。
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