選択したページ・サイズが、データベースのパフォーマンスに影響することがあります。大きいページ・サイズにも小さいページ・サイズにも、それぞれ利点と欠点があります。
小さいページは保持できる情報量が少ないため、特に、ページの半分以上のサイズのローを挿入する場合に領域の使用効率が低下します。ただし、ページ・サイズが小さいと、同じサイズのキャッシュにより多くのページを格納できるため、SQL Anywhere をより少ないリソースで実行できます。メモリが限られている小型のコンピュータでデータベースを実行する場合に便利です。また、不特定のロケーションから少量の情報を取得するためにデータベースを使う場合にも便利です。
ページ・サイズが大きいと、SQL Anywhere はデータベースをより効率的に読み込めます。データベースの規模が大きい場合や、逐次テーブル・スキャンを実行するクエリの場合にパフォーマンスが高くなる傾向があります。通常は、ディスクの物理的な設計のために、大きなブロックを少数取り出す方が、小さなブロックを多数取り出す場合よりも効率的です。大きいページ・サイズには、他の利点もあります。インデックスのファンアウトを改善することによってインデックス・レベル数を減らし、カラム数の多いテーブルが作成できます。
ただし、ページ・サイズが大きいと、メモリも余分に必要になります。また、大容量のデータベース・サーバ・キャッシュを常に利用できないかぎり、大半のアプリケーションでは、極端に大きなページ・サイズ (16 KB または 32 KB) の使用はおすすめしません。メモリやディスク領域を増設した効果がパフォーマンスに現れたことを確認してから、16 KB または 32 KB のページ・サイズを使用してください。
データベース・サーバのメモリの使用状況は、ロードされたデータベース数とデータベースのページ・サイズに比例します。ページ・サイズを選択するときは、パフォーマンス・テスト (およびテスト全般) を実行することを強くおすすめします。その上で、満足できる結果を得られた最小のページ・サイズ (4 KB 以上) を選択します。同じサーバで多数のデータベースが起動される場合は、正しい (かつ適切な) ページ・サイズの選択が重要です。
既存のデータベースのページ・サイズは変更できません。その代わり、新しいデータベースを作成し、dbinit の -p オプションを使用してページ・サイズを指定します。たとえば、次のコマンドは 4 KB のページ・サイズのデータベースを作成します。
dbinit -p 4096 new.db |
新しいページ・サイズでデータベースを作成するために、PAGE SIZE 句を指定した CREATE DATABASE 文を使用することもできます。CREATE DATABASE 文を参照してください。
大きいページ・サイズの詳細については、最大ページ・サイズの設定を参照してください。
Windows システムでは、最小のページ・サイズ 4 KB を使用すると、データベース・サーバはディスク上で連続した広範囲のデータベース・ページをキャッシュ内の適切な場所に直接読み込んで、64 KB のバッファを完全に回避できます。この機能によって、パフォーマンスを大幅に向上できます。
リモート・コンピュータ上のファイルや UNC 名 (たとえば \\mycomputer\myshare\mydb.db) で指定されたファイルに対して、分散読み込みは使用されません。
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