次に、リモート・クライアントの最初の同期を実行します。この処理は、Mobile Link クライアント・プログラム dbmlsync により行います。dbmlsync はリモート・データベースに接続して Mobile Link サーバにより認証されると、リモート・データベースのパブリケーションに基づいてリモート・データベースと統合データベースの同期に必要なすべてのアップロードとダウンロードを実行します。
コマンド・プロンプトで、次のコマンドをすべて 1 行に入力して実行します。
dbmlsync -c "eng=remote_eng;dbn=remote_db;uid=DBA;pwd=sql;" -n sync_ase_publication -u ase_remote -mp ase_pass |
dbmlsync 同期アプリケーション。
eng=remote_eng リモート・データベース・サーバ名を指定します。
dbn=remote_db リモート・データベース名を指定します。
uid リモート・データベースへの接続に使用するユーザ名。
pwd リモート・データベースへの接続に使用するパスワード。
sync_ase_publication 同期の実行に使用するリモート・デバイスのパブリケーション名。(このパブリケーションは同期モデル作成ウィザードで作成されています。)
ase_remote Mobile Link サーバによる認証に使用するユーザ名。
ase_pass Mobile Link サーバによる認証に使用するパスワード。
SQL Anywhere Mobile Link クライアントのメッセージ・ウィンドウに同期の進行状況が表示されます。このコマンドが正常に実行されると、dbmlsync アプリケーションによりリモート・データベースに統合データベースの情報のサブセットが格納されます。
同期が失敗した場合は、dbmlsync アプリケーションに渡す接続情報、および Mobile Link ユーザ名とパスワードを確認します。それでも失敗する場合は、使用したパブリケーション名を確認し、統合データベースと Mobile Link サーバが実行中であることを確認します。また、同期ログ (サーバ、クライアントとも) の内容を確認することもできます。
別のコンピュータにある dbmlsync アプリケーションを Mobile Link サーバから実行している場合、Mobile Link サーバのロケーションを指定する引数も渡す必要があります。
Mobile Link サーバを使用してリモート・クライアントを正常に統合データベースに同期すると、リモート・データベースには 1 軒の書店に関する情報が格納されます。SQL Anywhere 11 プラグインを使用すると、Sybase Central でこの状態を確認することができます。
Sybase Central を起動します。
次の手順でリモート・データベースに接続します。
左ウィンドウ枠で [SQL Anywhere 11] を右クリックして [接続] を選択します。
[ユーザ ID] に DBA と入力し、[パスワード] に sql と入力します。
[データベース] タブで、[サーバ名] に remote_eng と入力し、[データベース名] に remote_db と入力します。
[OK] をクリックします。
統合データベースから作成されたテーブルが表示されていない場合は、次の手順を実行します。
remote_db を右クリックして [所有者フィルタの設定] をクリックします。
[dbo] を選択して [OK] をクリックします。
統合データベースから作成されたテーブルが左ウィンドウ枠に表示されます。dbo がこれらのテーブルに対して持っている所有権はリモート・データベースで保持されます。
任意のリモート・テーブルを選択して、右ウィンドウ枠の [データ] タブをクリックします。
sales、salesdetail、store の各テーブルでは、すべてのレコードが識別子 5023 の書店に関するものです。この書店は、他の書店の販売情報とは関係ありません。このため、リモート ID を基準にしてローをフィルタ処理で除外するよう同期スクリプトを設定し、このデータベースのリモート ID を特定の書店識別子の値に設定します。この書店のデータベースは容量が少なく、同期に必要な時間も短くなります。リモート・データベースのサイズは最小限に抑えられているため、新しい販売記録の入力や過去の販売に対する払い戻し処理などの頻繁に行われる処理が迅速かつ効率的に実行されます。
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