この項では、Adaptive Server Anywhere バージョン 8.0.2 の新機能について説明します。新機能について主要なものからそうでないものまですべてを示し、各機能の詳細についての参照先も記述しています。
クラスタード・インデックスのサポート テーブルにクラスタード・インデックスを作成すると、そのテーブル内のローは、インデックス内での表示順序とほぼ同じ順序で格納されます。LOAD TABLE 文を使用して、クラスタされた順序でテーブルを情報とともにロードできます。情報をテーブルに挿入すると、テーブルのクラスタの特性が劣化します。REORGANIZE TABLE 文を使用して、クラスタ順序を回復できます。クラスタード・インデックスを使用すると、パフォーマンスが向上します。
このリリースより前に作成されたデータベースでクラスタード・インデックスを使用するには、データベースをアンロードして再ロードすることによってそのデータベースのファイル・フォーマットをアップグレードする必要があります。
詳細については、クラスタード・インデックスの使用を参照してください。
ユニークな識別子のサポート Adaptive Server Anywhere は、ユニークな識別子 (UUID と GUID) をサポートします。UUID (ユニバーサル・ユニーク識別子) と GUID (グローバル・ユニーク識別子) は、同期環境内の異なるデータベースにわたってローをユニークに識別するメカニズムです。
詳細については、NEWID デフォルトを参照してください。
ON EXISTING 句での既存のローの更新 テーブルにプライマリ・キーがあるかぎり、INSERT 文の ON EXISTING 句を使用して既存のローを新しい値で更新できます。
詳細については、INSERT によるデータの変更またはINSERT 文を参照してください。
Windows CE での BACKUP 文のサポート Adaptive Server Anywhere では、Windows CE プラットフォームで動作するデータベースのイメージ・バックアップを作成したり、データベースのトランザクション・ログの名前を変更またはトランケートしたりできます。
グラフィカルなプランの強化 グラフィカルなプランが拡張されて、より多くの情報が含まれるようになり、外観が新しくなりました。
詳細については、グラフィカルなプランの解釈を参照してください。
ワーク・テーブルの明示的な使用 プランでのワーク・テーブルができるかぎり後まで使用されないようになりました。ワーク・テーブルが使用されているときは、グラフィカルなプランに明示的に表示されます。
詳細については、グラフィカルなプランの解釈またはクエリ処理におけるワーク・テーブルの使用 (All-rows 最適化ゴールの使用)を参照してください。
新しいジョインの追加 このリリースに追加された新しいジョインには、ネスト・ループ・セミジョイン、ネスト・ループ非セミジョイン、ハッシュ・セミジョイン、ハッシュ非セミジョインがあります。
詳細については、ジョイン・アルゴリズムを参照してください。
特定のカーソル・タイプの SQL クエリのプランを取得 PLAN、EXPLANATION、GRAPHICAL_PLAN の各関数を使用し、カーソル・タイプに基づいて SQL クエリのプランを取得できます。
詳細については、GRAPHICAL_PLAN 関数 [その他]、EXPLANATION 関数 [その他]、または PLAN 関数 [その他] を参照してください。
文字セット変換関数 新しい関数 CSCONVERT を使用して、文字列の文字セットを変換できます。
詳細については、CSCONVERT 関数 [文字列] を参照してください。
変数テスト関数 新しい関数 VAREXISTS を使用して、特定の名前のユーザ定義変数が作成または宣言されているかどうかをテストできます。このテストを実行してから、必要に応じて変数を作成し、その変数を安全に使用できます。
詳細については、VAREXISTS 関数 [その他] を参照してください。
プロシージャ・テキストを隠して論理の機密を保持 SET HIDDEN オプションを使用して、ストアド・プロシージャ、関数、トリガ、ビューに含まれる論理を隠すことができます。これによって、ストアド・プロシージャ、関数、トリガ、ビュー内のロジックを明らかにせずに、アプリケーションやデータベースを配布できます。
詳細については、プロシージャ、関数、トリガ、ビューの内容を隠すを参照してください。
LOAD TABLE で 1 バイトより長いデリミタが使用可能 LOAD TABLE 文は、255 バイトまでのデリミタをサポートするようになりました。
詳細については、LOAD TABLE 文を参照してください。
Adaptive Server Enterprise と Microsoft SQL Server の互換性を提供する新しい文 DEALLOCATE 文を使用して、カーソルに関連付けられているリソースを解放できます。この文は、Adaptive Server Enterprise と Microsoft SQL Server の間の互換性のために用意されています。
詳細については、DEALLOCATE 文を参照してください。
dblog ユーティリティと同様の動作をする ALTER DATABASE 文 ALTER DATABASE 文を使用して、データベース・ファイルに関連付けられているトランザクション・ログとミラー・ログの名前を変更できます。以前は、これらのログの名前の変更はトランザクション・ログ (dblog) ユーティリティでのみ行うことができました。
詳細については、ALTER DATABASE 文を参照してください。
LOAD TABLE がグローバル・テンポラリ・テーブルとローカル・テンポラリ・テーブルの両方で使用可能 Adaptive Server Anywhere は、宣言されたローカル・テンポラリ・テーブルで LOAD TABLE 文をサポートするようになりました。以前は、グローバル・テンポラリ・テーブルのみがサポートされていました。
詳細については、LOAD TABLE 文を参照してください。
SET 文を使用した変数値の割り当てが可能 Transact-SQL プロシージャで SET 文を使用して、変数に値を割り当てることができるようになりました。
INSERT 文での WITH AUTO NAME のサポート INSERT 文で WITH AUTO NAME を指定すると、SELECT リスト内の項目の名前によって、値と挿入先カラムの関連付けが決定されます。
詳細については、INSERT 文を参照してください。
EXIT 文の強化 Interactive SQL の EXIT 文は、Interactive SQL に終了コードを設定できるようになりました。
詳細については、EXIT 文 [Interactive SQL]を参照してください。
FROM 句のクエリに対する最適化ゴールの指定 FASTFIRSTROW テーブル・ヒントを使用すると、optimization_goal オプションを first-row に設定しなくてもクエリの最適化ゴールを設定できます。
詳細については、FROM 句を参照してください。
新しいユーティリティを使用してファイルの内容を隠す 設定ファイル (別名コマンド・ファイル) には、パスワードが含まれることがあります。強化されたセキュリティ機能として、Adaptive Server Anywhere にはファイル難読化ユーティリティという新しいユーティリティがあります。このユーティリティを使用すると、単純暗号化によって設定ファイルの内容を隠すことができます。
詳細については、ファイル難読化ユーティリティ (dbfhide)を参照してください。
Certicom 暗号化の変更 ECC_TLS と RSA_TLS という 2 種類の Certicom 暗号化をサポートするようにセキュリティが強化されました。以前のバージョンの Adaptive Server Anywhere で Certicom 暗号化と呼ばれていた暗号化は、ECC_TLS 暗号化という名前に変更されました。Certicom パラメータは現在も受け入れられますが、ECC_TLS 暗号化と同等です。Adaptive Server Anywhere は、RSA_TLS 暗号化もサポートするようになりました。
詳細については、-ec サーバ・オプションまたはEncryption 接続パラメータ [ENC]を参照してください。
新しい接続パラメータによるネットワークの応答性の向上 LazyClose と PrefetchOnOpen ネットワーク接続パラメータを使用すると、遅延時間の長いネットワークまたは多くの要求を処理するアプリケーションのあるネットワークで、パフォーマンスが向上します。
これらのパラメータについては、LazyClose 接続パラメータ [LCLOSE]とPrefetchOnOpen 接続パラメータを参照してください。
Windows NT/2000/XP で分散読み込みが可能 以前は、大きなテーブルの逐次スキャンでは、ページが 64 KB バッファにコピーされてからキャッシュにコピーされていました。現在は、Windows NT サービス・パック 2 以上または Windows 2000/XP の環境で実行し、ページ・サイズが 4 KB 以上であれば、分散読み込みによってページがキャッシュに直接コピーされるため、時間が節約され、パフォーマンスが向上します。
詳細については、適切なページ・サイズの使用を参照してください。
要求のロギングでの時間単位の向上 プロシージャ・プロファイリングまたは要求のロギングを使用して取得される時間は、1 ミリ秒の単位になりました。この変更は、主に Windows オペレーティング・システムで稼働しているサーバに影響します。
複数バージョンのパフォーマンス・モニタの実行 複数バージョンの Adaptive Server Anywhere を同時に実行している場合は、複数バージョンの Windows パフォーマンス・モニタも同時に実行できます。
Windows パフォーマンス・モニタの詳細については、Windows パフォーマンス・モニタを使用した統計値のモニタリングを参照してください。
レジストリ設定によるサーバの temp フォルダの変更 Windows CE プラットフォームでは、レジストリを使用して、サーバが使用するテンポラリ・ディレクトリを指定できます。
詳細については、Windows Mobile でのレジストリ設定を参照してください。
新しい iAnywhere JDBC ドライバ 信頼性とパフォーマンスに優れたこの JDBC ドライバは、ODBC データ・ソースと Command Sequence クライアント/サーバ・プロトコルの利点を利用します。これは、jConnect JDBC ドライバに代わるものです。
iAnywhere JDBC ドライバの詳細については、iAnywhere JDBC ドライバの使用を参照してください。
JDBC ドライバの選択については、JDBC ドライバの選択を参照してください。
トリガは、トリガが起動する原因となったアクションを識別できる トリガが UPDATE、INSERT、DELETE のいずれの操作によって起動したかに応じて、異なるアクションを実行できるようになりました。この機能によって、単一トリガ内の異なるイベント間で論理を共有できるとともに、アクションに固有の方法でアクションを実行できます。
詳細については、トリガ・オペレーション条件を参照してください。
TDS 固有でなくなった return_date_time_as_string すべての接続で、return_date_time_as_string オプションを使用できるようになりました。
このオプションの詳細については、return_date_time_as_string オプション [データベース]を参照してください。
DB 領域への領域追加時に単位の指定が可能 特定のサイズ (ページ、キロバイト、メガバイト、ギガバイト、またはテラバイトの単位) でデータベース・ファイルを拡張できます。
詳細については、ALTER DBSPACE 文を参照してください。
sa_make_object システム・プロシージャ このシステム・プロシージャを SQL スクリプトで使用して、オブジェクトの骨格となるインスタンスが存在することを確認できます。その後で、ALTER 文を実行して実際の定義を提供できます。
詳細については、sa_make_object システム・プロシージャを参照してください。
Microsoft SQL Server と互換性のある新しいグローバル変数 新しいグローバル変数が導入され、Microsoft SQL Server との互換性が提供されています。@@fetch_status グローバル変数は @@sqlstatus グローバル変数と同じですが、最後のフェッチのステータスを別の値で返す点が異なります。
詳細については、グローバル変数を参照してください。
NetWare でサポートされる文字セット変換 NetWare は、文字セット変換をサポートするようになりました。
インストールされている Java クラスのバージョンを情報ユーティリティがレポート dbinfo ユーティリティと a_db_info 構造体は、データベースにインストールされている Java クラスのバージョンをレポートするようになりました。
詳細については、情報ユーティリティ (dbinfo)とa_db_info 構造体を参照してください。
フェッチ操作の警告の抑制 バージョン 8.0 以降のデータベース・サーバでは、それよりも前のバージョンのソフトウェアに比べて多様なフェッチ警告が返されます。[Adaptive Server Anywhere 9 の ODBC 設定] ウィンドウでは、データベース・サーバから返される警告メッセージを抑制し、以前のバージョンのソフトウェアを使用して配備されたアプリケーションに対して、警告メッセージが適切に処理されるようにできます。
プライマリ・キー・カラムの更新の制御 新しい prevent_article_pkey_update オプションを On に設定すると、パブリケーションに含まれるテーブルのプライマリ・キー・カラムの更新が禁止されます。このオプションを使用することで、特にレプリケーションと同期の環境におけるデータの整合性が確保されます。
詳細については、prevent_article_pkey_update オプション [データベース] [Mobile Link クライアント]を参照してください。
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