バージョン 8.0 で導入されたソフトウェアの変更と追加を次に示します。
Java 同期論理 SQL 言語の代わりまたはそれに加えて、Java で記述した同期スクリプトを実装できるようになりました。これらのスクリプトは、Mobile Link Java 環境を使用して外部 JRE の中で実行できます。
詳細については、Java による同期スクリプトの作成を参照してください。
パブリケーションを使用した同期 Mobile Link クライアント内のすべてのデータを、同時に同期させる必要はなくなりました。その代わりに、データをパブリケーションに編成し、パブリケーションごとに別々に同期できます。パブリケーションと同期サブスクリプションには、以前の構文よりも簡単で精度の高い新しい構文が用意されています。
詳細については、SQL Anywhere クライアントを参照してください。
Mobile Link 同期を処理する Web サーバの設定 ファイアウォールの後ろ側で、Mobile Link サーバとの HTTP 同期を実行できるようになりました。標準的な Web サーバ用の Web サーバ・プラグインによって、Web サーバ経由の HTTP 同期を実行できます。
詳細については、リダイレクタ (旧式)を参照してください。
Windows CE クライアントでの ActiveSync のサポート Adaptive Server Anywhere と Ultra Light Windows CE Mobile Link のクライアントは、いずれも Windows CE ActiveSync 同期ソフトウェアを使用できます。
詳細については、ActiveSync 同期の使用を参照してください。
クライアントのコマンド・ライン機能の強化 CREATE/ALTER SYNCHRONIZATION SUBSCRIPTION
文とコマンド・ラインの両方で、拡張オプションを指定できます。
詳細については、dbmlsync 構文を参照してください。
拡張オプションをデータベース内に格納できる CREATE/ALTER SYNCHRONIZATION SUBSCRIPTION
文を使用して、拡張オプションと接続パラメータをデータベースに保存し、サブスクリプション、ユーザ、またはパブリケーションと関連付けることができます。Dbmlsync は、この情報をデータベースから読み込みます。
詳細については、dbmlsync 構文を参照してください。
文ベースのアップロード Mobile Link では、カーソルベースのアップロードよりも直感的に扱えるだけではなく処理速度も速い、文ベースのアップロードを行えるようになりました。文ベースのアップロードでは、upload_insert、upload_delete、upload_update、upload_new_row_insert、upload_old_row_insert の各イベントが使用されます。競合の解決には、upload_fetch スクリプトが使用されます。
詳細については、ローをアップロードするスクリプトの作成を参照してください。
マルチプロセッサの管理 使用するプロセッサの最大数を設定するオプションが Mobile Link に新しく追加されました。-zt オプションを使用して、Mobile Link 同期サーバで使用されるリソースをより細かく制御できます。また、複数のプロセッサを使用した場合の ODBC の問題の検出や解決の際にも役立ちます。
詳細については、-zt オプションを参照してください。
ダウンロード確認のオプション Mobile Link 同期クライアントは、ダウンロード確認なしで同期できるようになりました。したがって、Mobile Link サーバのワーカ・スレッドは、クライアントがダウンロードを適用するまで待つ必要がなく、早期にワーカ・スレッドを解放して次の同期を実行できます。ダウンロード確認は、オプションになりました。ダウンロード確認を省略することで、スループットが向上します。特に、処理の遅いクライアントでは顕著な効果が現れます。ダウンロード確認を省略した場合、統合データベース側では次の同期が開始されるまでダウンロードが成功したかどうかを知ることはできません。
詳細については、Mobile Link SQL Anywhere クライアントの拡張オプションを参照してください。
ダウンロード・ストリームのバッファ Mobile Link サーバは、ダウンロード・キャッシュにダウンロード・ストリームをバッファするようになりました。ダウンロード・トランザクションをコミットするのにクライアントからの確認は必要ないので、バッファされたダウンロード・ストリームは、コミット後にクライアントに送信されます。これにより、これまでのようにネットワークの遅延によってダウンロード・トランザクションの処理が滞ることもなくなります。
ダウンロード・ストリームは、Adaptive Server Anywhere クライアント側でもバッファできます。使用可能なバッファのサイズは、dbmlsync DownloadBufferSize 拡張オプションを使って設定できます。
詳細については、Mobile Link SQL Anywhere クライアントの拡張オプションを参照してください。
接続スクリプトとテーブル・スクリプトのバルク・ロード テーブルと version_id の特定のペアに対して初めて接続スクリプトまたはテーブル・スクリプトを要求すると、すべてのスクリプトがキャッシュにバルク・ロードされます。すべてのスクリプトを個別に取得するのではなく一括して取得することによって、パフォーマンスが向上します。
Mobile Link サーバのシャットダウン処理の強化 Mobile Link サーバが完全にシャットダウンを完了してから処理を実行するように、dbmlstop に通知することができます。また、dbmlstop を使用して、特定の Mobile Link サーバの名前を指定して停止できます。
詳細については、Mobile Link 停止ユーティリティ (mlstop)を参照してください。
接続タイムアウト 指定された時間にわたって使用されなかった Mobile Link データベース接続は、サーバによって自動的に切断されるようになりました。タイムアウトは、-ct (接続タイムアウト) コマンド・ライン・オプションを使用して設定できます。
詳細については、-ct オプションを参照してください。
同時アップローダの最大数オプション -wu コマンド・ライン・オプションを使用して、同時アップロードを許可するワーカ・スレッドの最大数を設定できます。この結果、一部の配備ではスループットが増大します。
詳細については、-wu オプションを参照してください。
Mobile Link ユーザ認証 パスワードに基づくユーザ認証システムによって、Mobile Link のインストール環境のセキュリティがさらに強化されます。さらに、-zu を使用すると、authenticate_user スクリプトが定義されていない場合にユーザを自動的に追加できます。これによって、ユーザのスキーマ情報を Mobile Link の認証として使用できます。
詳細については、Mobile Link ユーザを参照してください。
Mobile Link ユーザの管理 dbmluser ユーティリティが拡張され、システムからユーザを削除したり、システムにユーザを追加したりできるようになりました。このユーティリティについてはそのほかにも拡張機能が追加されています。dbmluser コマンド・ライン・オプション -pf、-pp、-pu は廃止され、それぞれ -f、-p、-u に置き換えられました。
詳細については、Mobile Link ユーザ認証ユーティリティ (mluser)を参照してください。
統計スクリプト Mobile Link に、同期統計を追跡するためのスクリプトが追加されました。これらの同期統計を収集すると、その後の同期のパフォーマンスの監視に使用できます。
詳細については、synchronization_statistics 接続イベント、synchronization_statistics テーブル・イベント、upload_statistics 接続イベント、および upload_statistics テーブル・イベントを参照してください。
詳細なネットワーク・エラー情報 Mobile Link のサーバとクライアントは、詳細なエラー情報を表示するようになり、発生したすべてのエラーを、エラー・コードを参照して解決できるようになりました。エラーをレポートしたネットワーク・レイヤ、実行されたネットワーク操作、エラー内容、システム固有のエラー・コードを確認できます。
エラー発生時に Mobile Link サーバに送信される Remote Adaptive Server Anywhere の出力ログ 同期問題のトラブルシューティングは、リモート・ログと Mobile Link サーバ・ログの両方を検査するのが最も簡単な方法です。この新機能では、クライアント側でエラーが発生したときに、Adaptive Server Anywhere リモートの出力ログが Mobile Link サーバに送信されます。
詳細については、-e オプションを参照してください。
ログ・メッセージがワーカ・スレッドを識別する Mobile Link サーバ・ログに表示されるメッセージは、そのメッセージをロギングしたワーカ・スレッドを示すようになりました。これによって、1 人のユーザが同時に同期させようとしたために発生したメッセージを識別できます。また、1 人のユーザが続けて 2 回同期させたときのメッセージも識別できます。
冗長ロギング Mobile Link サーバの -v コマンド・ライン・オプションに追加の変更子を使用すると、Mobile Link サーバのロギングを設定できます。
詳細については、-v オプションを参照してください。
無視されたローがクライアントにレポートされる スクリプトがないために、Mobile Link サーバがアップロードされたローを無視した場合、クライアントにメッセージが返されます。このメッセージは、Adaptive Server Anywhere クライアントからの警告として表示され、Ultra Light クライアントの ignored_rows 同期パラメータにも表示されます。
詳細については、Ignored Rows 同期パラメータを参照してください。
最終ダウンロード・タイムスタンプ 前回のダウンロードのタイムスタンプが Mobile Link クライアント・データベースに自動的に書き込まれます。
自動同期スクリプトの生成 スナップショットを使用した同期に適したスクリプトを生成するように、Mobile Link に指示できます。これらのスクリプトの作成とアクティブ化は、-za オプションで制御します。
サンプル同期スクリプトの生成 サンプル同期スクリプトを生成するように、Mobile Link に指示できます。-ze コマンド・ライン・オプションを使用して、サンプル・スクリプトを生成するかどうかを指定します。
一般的な RDBMS のサポート Mobile Link は、統合データベースとして、Oracle 8i と 9i、Microsoft SQL Server 7、Microsoft SQL Server 2000、IBM DB2 などをサポートします。
詳細については、Mobile Link でサポートされる ODBC ドライバを参照してください。
TCP/IP ストリームでの活性検出 Mobile Link の同期中に使用される TCP/IP ベースのストリームは、クライアントとサーバの両側で、活性チェックを有効にする keep_alive と呼ばれる新しいパラメータを利用できるようになりました。
詳細については、-x オプションを参照してください。
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