インデックス処理の強化 今回のリリースでは、インデックス処理が次のように強化されています。
インデックス共有処理のサポート プライマリ・キー、セカンダリ・キー、外部キー、または一意性制約を作成するときに、物理インデックス (ディスク上の実際のインデックス構造) を指す論理インデックスを作成できるようになりました。データベース・サーバは、論理インデックスを満たすために新しい物理インデックスが必要かを自動的に判断します。このモデルを使用すると、物理インデックスの共有処理が可能になり、重複した物理インデックスを作成したり管理したりすることがなくなり、ディスク領域を無駄にすることがなくなります。論理インデックスを使用したインデックスの共有を参照してください。
インデックス情報の記憶領域の向上 データベースでインデックス情報が編成される方法が向上されました。たとえば、プライマリ・キーと外部キーのインデックスを含むすべてのインデックスのリストが、単一のシステム・テーブル ISYSIDX に格納されるようになりました。
3 つの新しいシステム・テーブル ISYSPHYSIDX、ISYSIDXCOL、ISYSFKEY によって、ISYSIDX にリストされているインデックスの追加情報が提供されます。次の項を参照してください。
インデックス・コンサルタントの強化 インデックス・コンサルタントが強化され、クラスタード・インデックス、負荷時のデータベースとサーバのステータス、負荷統計値の完全なレポートに関する推奨事項が改善されました。インデックス・コンサルタントはアプリケーション・プロファイリング・ツールに統合されました。
インデックスの作成方法の制御が向上 アプリケーションが参照整合性制約 (プライマリ・キー、外部キー、または一意性の制約) を作成すると、データベース・サーバは制約のキーを構成するカラムでインデックスを暗黙的に作成することで、その制約を確保します。データベース・サーバで、インデックスの作成方法を指定できるようになりました。制約キーのカラムの順序を指定したり、インデックスの各カラムに値のシーケンス (昇順または降順) を指定できます。また、外部キーのカラムの順序やシーケンスを、対応するプライマリ・キーや一意性制約と一致させる必要はありません。
その他に、次の機能も強化されています。
プライマリ・キーの順序を変更するときに、テーブルのカラムを並べ替える必要がなくなりました。
すべての制約インデックスのカラムのシーケンスを、アプリケーションの要件を満たすように指定できるようになりました。
プライマリ・テーブルの設計と関連させなくても、外部キーのインデックスを外部キー・テーブルに関するアプリケーションの要件に適合させることができるようになりました。
外部キーに一意性制約を設定できるようになりました。
新しい外部ジョインの削除によるリライト最適化 外部ジョインがクエリから削除されてもそのクエリが元のクエリと意味が変わらないときは、クエリの実行前に外部ジョインが削除されます。セマンティック・クエリ変形を参照してください。
日付フォーマット文字列での文字長セマンティックの使用 日付フォーマット文字列で、フォーマット指定子に置き返されるテキストの量を制御するために、文字長セマンティックを使用するようになりました。以前はバイト長セマンティックが使用されていました。たとえば、文字列 MMM を使用して日付をフォーマットする場合、以前は月を格納するために 3 バイトを使用することを示していましたが、3 文字を意味するようになりました。
ディレクトリ・アクセス・サーバ ディレクトリ・アクセス・サーバを作成することで、データベース・サーバを実行しているコンピュータのディレクトリ構造にアクセスするリモート・サーバを作成できるようになりました。ディレクトリ・アクセス・サーバの使用を参照してください。
ノルウェー語の照合 1252NOR が追加され、ノルウェー語がサポートされるようになりました。ノルウェー語の Windows システムで照合が指定されていない場合、データベース・サーバは、新規データベースのデフォルトの照合として 1252NOR を選択します。サポートされている照合と代替照合を参照してください。
UTF8BIN の照合 UTF8BIN 照合が追加され、バイナリ・データのソート処理が向上しました。この新しい照合は、廃止予定の UTF8 照合に代わるものです。サポートされている照合と代替照合を参照してください。
データベース・サーバ・メッセージ・ウィンドウの強化 データベース・サーバ・メッセージ・ウィンドウが、次のように強化されました。
新しいウィンドウ・タイトル・バーの右クリック・メニュー サポートされるすべての Windows プラットフォーム (Windows CE を除く) で、データベース・サーバ・メッセージ・ウィンドウのタイトル・バーを右クリックすると、[バージョン情報] または [メッセージ領域のクリア] を選択できるようになりました。[バージョン情報] を選択すると、データベース・サーバの情報が表示されます。[メッセージ領域のクリア] を選択すると、データベース・サーバ・メッセージ・ウィンドウのすべてのメッセージが消去されます。このウィンドウのレプリカ (データベース・サーバ・メッセージ・ログ・ファイル、Sybase Central の [サーバ・メッセージと実行された SQL] ウィンドウ枠、SQL Anywhere コンソール・ユーティリティ) は、消去操作の影響を受けません。
データベース・サーバで使用される環境変数がデータベース・サーバ・メッセージ・ウィンドウにロギングされる -ze サーバ・オプションを使用すると、データベース・サーバ・メッセージ・ウィンドウにデータベース・サーバの環境変数のリストが表示されます。この機能は NetWare または WindowsCE では使用できません。-ze オプションを参照してください。
開始時のウィンドウ最小化の制御 データベース・サーバが起動すると、デフォルトでデータベース・サーバ・メッセージ・ウィンドウは最小化されます。データベース・サーバの起動後に、データベース・サーバ・メッセージ・ウィンドウが最小化されないにするには、-qn オプションを指定します。-qn サーバ・オプションを参照してください。
テーブルの前回更新日時の追跡機能 データベース・サーバが、前回テーブルが更新された日時を追跡できるようになりました。SYSTAB システム・ビューの新しい last_modified_at カラムを使用します。SYSTAB システム・ビューを参照してください。
ミラーリング中に別のサーバに切り替わったときに SNMP トラップ SQL Anywhere SNMP Extension Agent とミラーリング中のサーバとの接続が切断されて、別のサーバとの接続が新しく確立された場合、SQL Anywhere SNMP Extension Agent によってトラップが送信されるようになりました。
このトラップは、元のサーバがダウンしていて、ミラーとして動作していたサーバがプライマリになったことを示します。トラップの使用を参照してください。
要求のロギングの変更 要求のログはカンマ区切りのテキスト・フォーマットで格納されるようになり、元のサイズの約 3 分の 1 にまで小さくなりました。また、可能な場合は通常の時刻エントリではなく、等号 (=、ログで直前のエントリと同じ時刻という意味) または +nnn (nnn はログで直前のエントリから経過したミリ秒数) として時刻が記録されるようになりました。また、追加情報も記録されるようになりました。たとえばクエリでは、独立性レベル、フェッチされたローの数、カーソル・タイプが記録されます。INSERT、UPDATE、DELETE 文の場合は、影響を受けたローの数と起動されたトリガの数が記録されます。要求ロギングを参照してください。
sa_get_request_times システム・プロシージャでは新しい要求のログ・フォーマットだけをサポートします。ただし、tracetime Perl スクリプト tracetime.pl は新旧両方の要求のログ・フォーマットを処理します。tracetime スクリプトでは、新しいフォーマットのログの方が高速に処理できます。この違いは要求のログのサイズが大きいとより顕著になります。
ODBC ドライバの強化 SQL Anywhere は、Adaptive Server Enterprise と DB2 のデータベースに接続するときに、新しいドライバを使用してリモート・データ・アクセスを行います。Mobile Link、QAnywhere、リモート・データ・アクセスで使用される ODBC の変更を参照してください。
SQLANYSAMP10 環境変数 SQLANYSAMP10 環境変数は、demo.db や custdb.db サンプル・データベースなどの SQL Anywhere 10 のサンプルがあるディレクトリのロケーションを指定します。SQLANYSAMP11 環境変数を参照してください。
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