次の項からは、データベースを構成するファイルの種類 (データベース・ファイル、トランザクション・ファイル、テンポラリ・ファイルなど) について簡単に説明します。SQL Anywhere と Ultra Light におけるこれらのファイルの実装の違いについても説明します。
SQL Anywhere データベースにあるすべての情報は、通常、単一のデータベース・ファイルに格納されていて、1 台のコンピュータから別のコンピュータにコピーできます。複数のファイルでデータベースを構成することもできますが、非常に大きいデータベースでなければ通常は必要ありません。
SQL Anywhere は、データベース・ファイルの他に、データベースの実行時にトランザクション・ログとテンポラリ・ファイルの 2 つのファイルを使用します。
データベース・ファイル データベース・ファイルは、内部的には複数のページ、つまり一定サイズのディスク領域で構成されています。データ・アクセス・レイヤは、一度に 1 ページのデータの読み込みと書き込みをします。多くのページは、データベース・テーブルにあるデータを保持していますが、インデックス情報やデータベース内のデータの分散についての情報などを保持しているページもあります。
トランザクション・ログ トランザクション・ログは、データベースで実行されたすべての操作の記録を含む独立したファイルです。通常、トランザクション・ログの名前は、拡張子が .db ではなく .log である点を除いてデータベース・ファイルと同じです。このファイルには、次のような 3 つの重要な機能があります。
リカバリを可能にするためにデータに対する操作を記録する データベース・ファイルが破損した場合は、トランザクション・ログとバックアップからデータベースを再作成できます。
パフォーマンスを向上させる トランザクション・ログに情報を書き込むことで、データベース・サーバは、データベース・ファイルに頻繁に書き込まなくても、安全にステートメントを処理できます。
データベースのレプリケーションを可能にする SQL Remote と Mobile Link の同期では、トランザクション・ログを使用して、他のデータベースに変更内容を同期させます。
テンポラリ・ファイル テンポラリ・ファイルは、データベース・サーバが起動すると同時に作成され、データベース・サーバが停止すると消去されます。その名前が示すように、テンポラリ・ファイルとはデータベース・サーバの起動中に一時的に情報を保持するために使用されます。テンポラリ・ファイルには、セッション間にわたって維持する必要がある情報は格納されません。
Ultra Light のテンポラリ・ファイルは、データベース・ファイルと同じディレクトリに保存されます。
TMP、TEMPDIR、TEMP 環境変数を参照してください。
Ultra Light データベースには、これまで説明した機能を備えていますが、次の例外があります。
Ultra Light のデータベース・ファイルには、データベース内のデータの分散に関する情報が含まれません。
Ultra Light は、別のログ・ファイルではなく、内部でトランザクションを追跡します。
Ultra Light のテンポラリ・ファイルは、データベース・ファイルと同じディレクトリに保存されます。
Ultra Light のトランザクションとステータスの管理を参照してください。
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