次のようないくつかの設定は、データベースサーバーのパフォーマンスに影響することがあります。
キャッシュサイズ データベースサーバーに割り当て可能なキャッシュメモリの容量は、パフォーマンスに影響を及ぼす主要な要因の 1 つになります。データベースサーバーが利用できるメモリが多いほど、実行速度が速くなります。キャッシュには何度も要求される情報が保持されます。ディスクの情報にアクセスするよりも、キャッシュ内の情報にアクセスする方が速くなります。デフォルトの初期キャッシュサイズは、物理メモリの容量、オペレーティングシステムとデータベースファイルのサイズに基づいて計算されます。データベースサーバーは、必要に応じてキャッシュサイズを自動的に調整します。動的キャッシュサイズ決定を参照してください。
データベースサーバーメッセージウィンドウには起動時のキャッシュサイズが表示されます。また、次の文を使用して現在のキャッシュサイズを取得することもできます。
SELECT PROPERTY( 'CurrentCacheSize' ); |
パフォーマンスチューニングの詳細については、パフォーマンスのモニタリングと診断のツールを参照してください。
次の表は、キャッシュの制御に使用できるデータベースサーバーオプションをまとめたものです。
キャッシュ機能 | データベースサーバーオプション | 用途 | 参照 |
---|---|---|---|
キャッシュサイズ | -c | データベースサーバーキャッシュ用のメモリの初期容量を設定します。 | -c dbeng12/dbsrv12 サーバーオプション |
-ca 0 | 静的キャッシュサイズを強制的に適用します。 | -ca dbeng12/dbsrv12 サーバーオプション | |
-ch | 自動キャッシュサイズ変更の最大キャッシュサイズを設定します。 | -ch dbeng12/dbsrv12 サーバーオプション | |
-chx | キャッシュ以外の用途のアドレス領域を予約しないで自動キャッシュサイズ変更の最大キャッシュサイズを設定します (32 ビットデータベースサーバーの場合のみ)。 | -chx dbeng12/dbsrv12 サーバーオプション | |
-cl | 自動キャッシュサイズ変更の最小キャッシュサイズを設定します。 | -cl dbeng12/dbsrv12 サーバーオプション | |
-cs | データベースサーバーメッセージウィンドウに、動的なキャッシュサイズ変更に関する統計を表示します。 | -cs dbeng12/dbsrv12 サーバーオプション | |
キャッシュウォーミング | -cc | 次回にデータベースが起動されるときに、キャッシュウォーミングに使用するデータベースページに関する情報を収集します。 | -cc dbeng12/dbsrv12 サーバーオプション |
-cr | データベースページを保持するキャッシュを準備します。 | -cr dbeng12/dbsrv12 サーバーオプション | |
-cv | データベースサーバーメッセージウィンドウに、キャッシュウォーミングに関するメッセージを表示します。 | -cv dbeng12/dbsrv12 サーバーオプション | |
Address Windowing Extensions (AWE) キャッシュ (旧式) | -cm | Windows において、AWE キャッシュに割り付けるアドレス領域のサイズを設定します。 | -cm dbeng12/dbsrv12 サーバーオプション |
-cw | Windows での AWE の使用を有効にします。 | -cw dbeng12/dbsrv12 サーバーオプション (旧式) |
AWE は使用されなくなりました。サイズの大きいキャッシュが必要な場合は、64 ビット版の Windows オペレーティングシステムで 64 ビット版の SQL Anywhere データベースサーバーを使用することをおすすめします。
マルチプログラミングレベル データベースサーバーのマルチプログラミングレベルは、同時に実行できるデータベースサーバータスクの最大数を指定するものです。一般に、マルチプログラミングレベルを上げるほど、同時に実行する要求の数が増えるため、データベースサーバーの全体的なスループットは向上します。ただし、マルチプログラミングレベルを上げすぎると、同じリソースを使用する要求が複数存在するときに、余分な競合が発生し、トランザクションの応答時間が長くなります。
デフォルトでは、SQL Anywhere はデータベースサーバーのマルチプログラミングレベルを自動的に調整します。マルチプログラミングレベルを上げると、場合によっては、システムのスループットが低下することもあります。次のオプションを使用すると、データベースサーバーのマルチプログラミングレベルを手動で制御できます。
データベースサーバーオプション | sa_server_option 値 | 説明 |
---|---|---|
-gn dbsrv12 サーバーオプション | CurrentMultiProgrammingLevel | データベースサーバーのマルチプログラミングレベルを設定します。 |
-gna dbsrv12 サーバーオプション | AutoMultiProgrammingLevel | データベースサーバーのマルチプログラミングレベルの動的チューニングをオンまたはオフにします。 |
-gnh dbsrv12 サーバーオプション | MaxMultiprogrammingLevel | データベースサーバーが同時に実行できるタスクの最大数を設定します。 |
-gnl dbsrv12 サーバーオプション | MinMultiProgrammingLevel | データベースサーバーが同時に実行できるタスクの最小数を設定します。 |
-gns dbsrv12 サーバーオプション | AutoMultiProgrammingLevelStatistics |
マルチプログラミングレベルの自動変更に関する統計をデータベースサーバーメッセージログに出力するかどうかを制御します。 sa_server_option システムプロシージャーで AutoMultiProgrammingLevelStatistics プロパティを使用して、この動作を制御することもできます。sa_server_option システムプロシージャーを参照してください。 |
SQL Anywhere のマルチプログラミングレベルの詳細については、マルチプログラミングレベルのデータベースサーバー設定を参照してください。
プロセッサーの数 ネットワークデータベースサーバーを使用するマルチプロセッサーコンピューターを実行している場合、-gt オプションを使用してプロセッサー数を設定できます。-gt dbeng12/dbsrv12 サーバーオプションとSQL Anywhere のスレッド化を参照してください。
データベースサーバーで使用できる CPU 数には、ライセンスまたは SQL Anywhere のエディションも影響する場合があります。エディションとライセンスを参照してください。
その他のパフォーマンスに関連するオプション ネットワークのパフォーマンスをチューニングするオプションには、-gb (データベース処理優先度) と -u (バッファーディスク I/O) などいくつかのオプションがあります。SQL Anywhere データベースサーバーの構文を参照してください。
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