参照整合性を維持するには、不一致の NULL でない外部キー値がデータベースに含まれないようにします。参照整合性に違反する外部ローは、参照先テーブルのプライマリキー値と一致しないため、「オーファン」と呼ばれます。オーファンは次の操作で作成されます。

SQL Anywhere では、孤立したローを作成しないようにして、参照整合性違反を防ぎます。

SQL Anywhere では、複数カラムのプライマリキーと外部キーもサポートされており、「複合キー」と呼ばれます。複合外部キーでも NULL 値は不一致を示しますが、オーファンの識別方法は MATCH 句での参照整合性制約の定義方法によって異なります。

外部キーを作成すると、キーのインデックスが自動的に作成されます。外部キーカラムの順序はプライマリキーカラムの順序を反映している必要はなく、プライマリキーインデックスのソートの程度が外部キーインデックスのソートの程度と一致している必要もありません。外部キーインデックスでのインデックス付けされた各カラムのソートの程度 —(昇順または降順)— はカスタマイズでき、外部キーインデックスのソートの程度が、アプリケーションの特定の SQL クエリに必要な、そのクエリの文の ORDER BY 句で指定されたソートの程度に一致するようにできます。各カラムのソートの程度は、外部キー制約を設定するときに指定できます。

SQL Anywhere サンプルデータベースには、従業員 (employee) 情報が入ったテーブルが 1 つと、部署 (department) 情報の入ったテーブルが 1 つあります。Departments テーブルには、次のカラムがあります。

特定の従業員の所属部署名を探せるように、その従業員の部署名を Employees テーブルに入力しておく必要はありません。その代わり Employees テーブルには、Departments テーブルの DepartmentID 値の 1 つと一致する値の入った DepartmentID カラムがあります。

Employees テーブルの DepartmentID カラムは、Departments テーブルに対する外部キーです。外部キーは、対応するプライマリキーを持つテーブル内の特定のローを参照します。

そのため、Employees テーブル (関係付けの外部キーを持つ) を「外部テーブル」または「参照元テーブル」と呼びます。Departments テーブル (参照先のプライマリキーを持つ) は、「プライマリテーブル」または「参照先テーブル」と呼びます。

次の文を実行して、複合プライマリキーを作成します。

CREATE TABLE pt(
     pk1 INT NOT NULL,
     pk2 INT NOT NULL,
     str VARCHAR(10),
     PRIMARY KEY ( pk1, pk2 ));

次の文は、プライマリキーとカラムの順序が異なる外部キーと、外部キーカラムに対して異なるソートの程度を作成します。これは、外部キーインデックスを作成する場合に使用されます。

CREATE TABLE ft1(
     fpk INT PRIMARY KEY,
     ref1 INT,
     ref2 INT );

ALTER TABLE ft1 ADD FOREIGN KEY ( ref2 ASC, ref1 DESC)
     REFERENCES pt ( pk2, pk1 ) MATCH SIMPLE;

次の文を実行して、プライマリキーとカラムの順序が同じだが、外部キーインデックスに対してソートの程度が異なる外部キーを作成します。また、この例では、MATCH FULL 句を使用して、両方のカラムが NULL だった場合に孤立したローになることを指定します。UNIQUE 句は、NULL ではないカラムの pt テーブルと ft2 テーブルの間に 1 対 1 の関係を適用します。

CREATE TABLE ft2(
     fpk INT PRIMARY KEY,
     ref1 INT,
     ref2 INT );

ALTER TABLE ft2 ADD FOREIGN KEY ( ref1, ref2 DESC )
     REFERENCES pt ( pk1, pk2 ) MATCH UNIQUE FULL;

• FOREIGN KEY 句、CREATE TABLE 文
• 参照整合性