Mobile Link プロジェクトは、Sybase Central 用の Mobile Link 12 プラグインを使用して管理者が作成します。まず、Mobile Link プロジェクトを定義してから、リモートタスクを操作してください。

Mobile Link プロジェクトは、次の要素で構成されるコレクションです。

サンプルの Mobile Link プロジェクトは %sqlanysamp12%\MobiLink\CustDB\project.mlp にあります。

Mobile Link エージェントは、クライアントデバイスで実行されるアプリケーションです。エージェントは、Mobile Link サーバーからタスクを受信して実行し、それらのタスクのステータスを Mobile Link サーバーに返します。

Mobile Link エージェントでは、クライアントデバイス上の複数のリモートデータベースを管理できます。クライアントデバイス上のリモートデータベースを異なる統合データベースと同期する必要がある場合は、アプリケーションで同期する必要がある統合データベースごとに、異なる Mobile Link エージェントが必要となります。

Mobile Link エージェント ID は、クライアントデバイスで実行中のエージェントを Mobile Link サーバーが識別するための文字列です。Mobile Link プロジェクトを操作する管理者は、Mobile Link エージェント ID を表示できます。また、各エージェントは 1 つのクライアントデバイスで動作するため、管理者はこの ID からデバイスも識別できます。

各 Mobile Link エージェントにはユニークな ID が必要です。エージェント ID は、mlagent コマンドを使用して起動時に指定できます。デフォルト値は、Agent_computername_UUID (computername はエージェントが実行されているコンピューターのホスト名、UUID はユニバーサルユニーク識別子) の形式で割り当てられます。

異なるエージェント ID を区別するのに大文字と小文字を使用しないことを強くおすすめします。たとえば、エージェント ID Agent_XYZ と agent_xyz を作成して、異なるエージェント ID として使用しないでください。統合データベースで大文字と小文字が区別されないときは、この推奨事項は必須条件です。統合データベースで大文字と小文字が区別されるときには、この推奨事項は強制ではありません。

作業の単位は、リモートタスクと呼ばれます。リモートタスクは、コマンドのコレクションです。Mobile Link エージェントは、実行する作業をリモートタスクの形式で受信し、作業の試行ステータスを管理者に返します。

コマンドは、特定のアクションを実行するタスク内の命令です。タスクには、複数のコマンドを含めることができ、コマンドには定められた順序があります。コマンドには、実行するアクション、入力パラメーター、コマンドが失敗した場合の処理に関する命令が含まれています。

展開済みリモートタスクは、統合データベースにコピーされたタスクです。エージェントに割り当てて実行できるのは、展開済みタスクのみです。

ステータス情報は、タスクが正常に完了したかどうかなどの、リモートタスクに関する情報です。この情報は、タスクが実行されるとクライアント上でエージェントデータベース内に保存され、管理者がリモートタスクのステータスをシステムで確認できるようにするため、さまざまな時点でサーバーに送信されます。

エージェントデータベースは、タスクや設定に関する情報を保存するために Mobile Link エージェントが使用する、リモートデバイス上の Ultra Light データベースです。

エージェントデータベースのデフォルトの場所は、Windows では %ALLUSERSPROFILE%\Application Data\SQL Anywhere 12\MobiLink Agent、Windows Mobile では My Device\Application Data\SQLAny12\MLAgent です。

エージェントデータベースのファイル名は、mlagent.exe の -n オプションで指定された名前に拡張子 .udb が付けられたものになります。-n オプションを指定しなかった場合のデフォルト名は mlagent.udb です。

リモートデータベースは、アプリケーションデータが含まれるリモートデバイス上の Ultra Light データベースまたは SQL Anywhere データベースであり、Mobile Link 同期に関係し、Mobile Link エージェントによって管理されます。各リモートデータベースには、そのスキーマを識別するリモートスキーマ名があります。

リモートスキーマ名は、同じスキーマを持つデータベースのグループを識別します。一般的に、同じリモートスキーマ名を持つすべてのデータベースは、同じバージョンのアプリケーションのデータベースになります。スキーマには、テーブル定義、ストアドプロシージャー、トリガー、パブリケーション、同期プロファイルなどが含まれます。スキーマには、同期ユーザーやデータベースユーザーのような、データベースのインスタンスごとに異なる項目は含まれません。

リモートデータベースにリモートスキーマ名がないと、リモートデータベースをリモート管理できません。したがって、少なくとも 1 つのリモートスキーマ名を定義してから、エージェントを Sybase Central で作成してください。

プロジェクト作成ウィザードまたは統合データベース追加ウィザードのいずれを使用する場合も、プロジェクトに統合データベースを追加するときは、ウィザードによって、プロジェクトに存在しないリモートスキーマ名が統合データベースに定義されているかどうかが自動的にチェックされます。定義されている場合は、それをインポートするかどうか尋ねられます。

サーバー起動リモートタスクは、エージェントがタスクの実行指示通知をサーバーから受信したときに実行される任意のリモートタスクです。タスクがスケジュールされている場合でも、サーバーによって起動されます。