レッスン 10：競合の検出と解決のためのテーブルの作成

このレッスンは、受講者がこれまでのすべてのレッスンを終了していることを前提としています。レッスン 1：Mobile Link 統合データベースの設定を参照してください。

競合は、統合データベースにローをアップロードしているときに発生する可能性があります。異なるリモートデータベースで 2 人のユーザーが同じローを修正した場合、Mobile Link サーバーに 2 つめのローが到着したときに競合が検出されます。同期スクリプトを使用すると、競合を検出して解決できます。

例 (在庫管理)

2 つのクライアントが 10 個までの在庫を同時に販売するとします。最初のクライアントは 3 個の在庫を販売し、クライアントデータベース sync_mlintro_remote で在庫を更新します。これにより、7 個の在庫が残っていることが示されます。このデータベースは、統合データベース mlintro_consdb と同期されます。2 番目のクライアントは 4 個の在庫を販売し、リモートデータベース sync_mlintro_remote2 で在庫を更新します。これにより、6 個の在庫が残っていることが示されます。各クライアントが mlintro_consdb と同期しようとすると、在庫の値が変更されているため、競合が検出されます。

この競合をプログラムによって解決するには、次のロー値を取得する必要があります。

統合データベースにある現在の値。

統合データベースの値は、sync_mlintro_remote の同期後には 7 になります。
新しいロー値が sync_mlintro_remote2 データベースによってアップロードされます。
sync_mlintro_remote2 データベースが直前の同期の間に取得した古いローの値。

次のビジネス論理を使用することで、新しい在庫数を計算して競合を解決できます。

現在の統合 - (古いリモート - 新しいリモート)

この在庫のサンプルでは、次の値がビジネス論理に置き換えられます。

7 - (10-6) = 3

この式で、リモートデータベースの古い値からリモートデータベースの新しい値を引いて求めている値は、在庫数ではなく、2 番目のクライアントが販売した個数です。

♦ 競合解決テーブルの作成

競合を解決するために、統合データベースに追加のテーブルを作成します。これらのテーブルには、Product_old と Product_new という名前を付けます。その目的は、競合の発生時に問題のある値を一時的に格納することです。

統合データベースに接続していない場合は、Interactive SQL から接続します。

Interactive SQL は、Sybase Central またはコマンドプロンプトから起動できます。

Sybase Central から、MLconsolidated - DBA データベースを右クリックし、[Interactive SQL を開く] をクリックします。

コマンドプロンプトで次のコマンドを実行します。

dbisql -c "DSN=mlintro_consdb"

次の SQL 文を実行します。

CREATE TABLE Product_old (
    name            VARCHAR(128) NOT NULL PRIMARY KEY,
    quantity        INTEGER,
    last_modified   TIMESTAMP DEFAULT TIMESTAMP
);

CREATE TABLE Product_new (
    name            VARCHAR(128) NOT NULL PRIMARY KEY,
    quantity        INTEGER,
    last_modified   TIMESTAMP DEFAULT TIMESTAMP
);

レッスン 11：競合の検出と解決のためのスクリプトの作成に進みます。

参照

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