レッスン 3：Ultra Light Java Edition データベースの作成

このレッスンでは、Ultra Light Java Edition データベースを作成し、そのデータベースに接続するコードを記述します。新しいデータベースを作成するコードは、DataAccess というシングルトンクラスで定義され、HomeScreen コンストラクターから呼び出されます。シングルトンクラスを使用すると、データベースへの接続が、一度に 1 つしか開かれないよう制御できます。Ultra Light API は複数の接続をサポートしていますが、一般的な設計パターンでは 1 つの接続を使用します。

♦ データベースを作成するためのサンプルアプリケーションの更新

HomeScreen クラスを変更して DataAccess オブジェクトをインスタンス化します。

次に示すのは、完全で更新された HomeScreen クラスコードリストです。

import net.rim.device.api.ui.*;
import net.rim.device.api.ui.component.*;
import net.rim.device.api.ui.container.*;
import java.util.*;

class HomeScreen extends MainScreen {

    HomeScreen() {
        
        // Set the window title
        LabelField applicationTitle = new LabelField("Hello BlackBerry");
        setTitle(applicationTitle);
        
        // Add a label to show application status
        _statusLabel = new LabelField("Status: Started");
        add(_statusLabel);
        
        // Create database and connect
        try {
            _da = DataAccess.getDataAccess(true);
            _statusLabel.setText("Status: Connected");
        }
        catch(Exception ex)
        {
            _statusLabel.setText("Exception: " + ex.toString());
        }        
    }
    private LabelField _statusLabel;
    private DataAccess _da;
}

Eclipse が DataAccess が解決できないという警告を表示する可能性があります。DataAccess オブジェクトは、コードの他の部分からアクセスできるように、クラスレベル変数として格納されます。DataAccess クラスは、次の手順で作成します。

プロジェクトに DataAccess クラスを追加します。
1. [Package Explorer] ウィンドウで、HelloBlackBerry を展開して [src] をクリックします。
2. [File] » [New] » [Class] をクリックします。
  
  [New Java Class] ウィンドウが表示されます。
3. [Name] フィールドに DataAccess と入力します。
4. [Finish] をクリックします。
  
  DataAccess.java ファイルが [Package Explorer] ウィンドウで作成中のプロジェクトの下に表示されます。

DataAccess クラスを変更して、単一のデータベース接続を確実にする getDataAccess メソッドを含むようにします。

[Package Explorer] ウィンドウの DataAccess.java をダブルクリックしてから、次の抜粋部分とコードを置き換えます。

import com.ianywhere.ultralitej12.*;
import net.rim.device.api.ui.component.*;
import java.util.*;

class DataAccess {
    DataAccess() {
    }
    
    public static synchronized DataAccess getDataAccess(boolean reset) 
        throws Exception
    {   
        if (_da == null) {
            _da = new DataAccess();
            ConfigObjectStore config = DatabaseManager.createConfigurationObjectStore("HelloDB");
            if (reset) {
                _conn = DatabaseManager.createDatabase(config);
                // _da.createDatabaseSchema();
            } 
            else {
                try {
                    _conn = DatabaseManager.connect(config);
                }
                catch (ULjException uex1) {
                    if (uex1.getErrorCode() != ULjException.SQLE_ULTRALITE_DATABASE_NOT_FOUND) {
                        Dialog.alert("Exception: " + uex1.toString() + ". Recreating database...");
                    }
                    _conn = DatabaseManager.createDatabase(config);
                    // _da.createDatabaseSchema();
                }
            }
        }
        return _da;        
    }
    private static Connection _conn;
    private static DataAccess _da;
}

このクラスは、UltraLiteJ12.jar ファイルから com.ianywhere.ultralitej12 パッケージをインポートします。次の手順は、Ultra Light Java Edition データベースを作成したり、そのデータベースに接続するために必要です。

設定を定義します。このチュートリアルでは、設定オブジェクトは ConfigObjectStore インタフェースによって定義されます。このインタフェースによって、BlackBerry オブジェクトストア上に存在する永続的なデータベースを設定できます。
データベースへの接続を試行します。このチュートリアルでは、データベースは、接続が失敗したときに createDatabase メソッドを使って作成されます。このメソッドが、開いた接続を返します。

[File] » [Save] をクリックします。
シミュレーターを実行します。

[Package Explorer] ウィンドウで Application.java をクリックしてから、[Run] » [Run As] » [BlackBerry Simulator] をクリックします。

注意

ワークスペースで複数のプロジェクトを開いている場合は、[Run] » [Run Configurations] をクリックし、HelloBlackBerry を選択してから [Run] をクリックします。

HelloBlackBerry プロジェクトがコンパイルされ、シミュレーターウィンドウが表示されます。

Eclipse の [Problems] タブを選択して、プロジェクトがエラーなくコンパイルされたことを確認します。
シミュレーターメニューで、[File] » [Load Java Program] をクリックします。
SQL Anywhere インストール環境の \UltraLite\UltraLiteJ\BlackBerry4.2\ ディレクトリに移動して、UltraLiteJ12.cod ファイルを開きます。

注意

アプリケーションを実行するには、UltraLiteJ12.cod と DBG ファイルを作業中のシミュレーターディレクトリ (C:\Eclipse\plugins\net.rim.ejde.componentpack6.0.0_6.0.0.0.26\components\simulator\ など) にコピーする必要があります。コピーが完了したら、シミュレーターメニューから Java プログラムをロードする必要はありません。
シミュレーターメニューで、[Simulate] » [Set IT Policy] をクリックします。

[Set IT Policy] ウィンドウが表示されます。
[Policy] フィールドで、[Allow Third Party Apps to Use Persistent Store] をクリックし、[>>] をクリックします。
[Set] をクリックしてから、[Close] をクリックします。
アプリケーションを起動します。

シミュレーターウィンドウで、[Downloads] に移動してから HelloBlackBerry アプリケーションを実行します。

Hello BlackBerry タイトルバーと Status: Connected テキストを示す画面が表示されます。画面には、アプリケーションが Ultra Light Java Edition データベースに正常に接続されたことが表示されます。
シミュレーションを停止します。

シミュレーターウィンドウで、[File] » [Exit] をクリックします。

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