Kerberos ログインを使用するように SQL Anywhere データベースを設定できます。
前提条件
SET ANY PUBLIC OPTION システム権限と MANAGE ANY USER システム権限が必要です。
Kerberos の設定について、SQL Anywhere で使用できるように設定を済ませている必要があります。
内容と備考
Kerberos ログイン機能を使用すると、データベース接続、オペレーティングシステム、ネットワークのログインを、単一のユーザ ID とパスワードで管理できます。
SQL Anywhere データベースサーバを -krb または -kr オプションを使用して起動し、Kerberos 認証を有効にします。また、-kl オプションを使用して GSS-API ライブラリのロケーションを指定し、Kerberos を有効にすることもできます。
パブリックオプションまたは一時的なパブリックオプション login_mode を Kerberos を含む値に変更します。データベースオプションはそれらが見つかったデータベースにのみ適用されるので、複数のデータベースが同じデータベースサーバにロードされ実行されていても、データベースごとに異なる Kerberos ログイン設定を持たせることができます。次に例を示します。
SET OPTION PUBLIC.login_mode = 'Kerberos,Standard'; |
login_mode データベースオプションを Kerberos に設定すると、接続できるのは、Kerberos ログインマッピングを付与されているユーザだけに制限されます。SYS_AUTH_DBA_ROLE システムロールを持つユーザでないかぎり、ユーザ ID とパスワードを使用して接続しようとすると、エラーが発生します。
クライアントユーザのデータベースユーザ ID を作成します。既存のデータベースユーザに適切な権限があれば、そのデータベースユーザ ID を Kerberos ログインに使用できます。次に例を示します。
CREATE USER "kerberos-user" IDENTIFIED BY abc123; |
GRANT KERBEROS LOGIN TO 文を実行して、クライアントの Kerberos プリンシパルから既存のデータベースユーザ ID へのマッピングを作成します。次に例を示します。
GRANT KERBEROS LOGIN TO "pchin@MYREALM.COM" AS USER "kerberos-user"; |
使用されている Kerberos プリンシパルにマッピングがない場合に接続するには、Guest データベースユーザ ID が存在することと、パスワードがあることを確認します。
クライアントユーザが Kerberos プリンシパルを使用してログオン済みである (有効な Kerberos TGT:Ticket Granting Ticket がある) こと、およびクライアントの Kerberos チケットの期限が切れていないことを確認します。ドメインアカウントにログインしている Windows ユーザは、TGT をすでに持っており、プリンシパルに必要なパーミッションがあれば、サーバに認証されます。
チケット付与権限付きチケットはユーザパスワードを使用して暗号化された Kerberos チケットで、ユーザ ID の検証に Ticket Granting Service が使用します。
KERBEROS 接続パラメータ (通常は KERBEROS=YES、ただし KERBEROS=SSPI または KERBEROS=GSS-API-library-file も使用可) を指定して、クライアントから接続します。ユーザ ID またはパスワードの接続パラメータが指定された場合は、無視されます。次に例を示します。
dbisql -c "KERBEROS=YES;Server=my_server_princ" |
例
次の SQL 文を使用した接続は成功します。ただし、接続が成功するためには、データベースサーバ上のデフォルトデータベースの Kerberos ログインマッピングと一致するユーザプロファイル名を使用してユーザがログインしていることが必要です。
CONNECT USING 'KERBEROS=YES'; |
次のすべてが成り立つ場合は、CONNECT 文からデータベースに接続できます。
データベースサーバが現在実行中である。
現在のデータベースサーバ上のデフォルトデータベースが、Kerberos 認証された接続を受け入れるように有効になっている。
Kerberos ログインマッピングがユーザの現在の Kerberos プリンシパルに対して作成されている。
データベースサーバから接続についての詳細情報を要求された場合 (Interactive SQL を使用した場合など) に、情報を追加せずに [OK] をクリックする。
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