実行中のデータベースのデータベースファイルやトランザクションログについて、クライアント側またはサーバ側のバックアップを作成します。
dbbackup [ options ] target-directory
オプション | 説明 | ||
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@data |
指定された環境変数または設定ファイルからオプションを読み込みます。設定ファイルを参照してください。 設定ファイル内のパスワードなどの情報を保護する場合は、ファイル難読化ユーティリティを使用して、設定ファイルの内容を難読化します。ファイル非表示ユーティリティ (dbfhide)を参照してください。 |
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-aw[ - ] |
ライタの自動チューニングを有効にします。こうすることでライタの数を増やし、全体のバックアップパフォーマンスを改善できます。-aw- を指定するとライタの自動チューニングが無効になり、データベースサーバがそれ以上ライタを作成しなくなります。-aw オプションと -aw- オプションは必ず -s オプションと一緒に使用してください。 |
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-b block-size | データベースサーバから dbbackup へのページ転送に使用するブロックの最大サイズ (ページ数) を指定します。dbbackup ユーティリティは、指定された数のページを割り付けようとします。割り付けが失敗した場合は、この値を半分にして再試行し、成功するまでこれを繰り返します。デフォルトのサイズは 128 です。 | ||
-bc comment |
バックアップ履歴ファイルにコメントを記録します。アーカイブバックアップの場合、コメントはアーカイブファイルにも記録されます。-bc オプションは必ず -s オプションと一緒に使用してください。 |
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-c "keyword=value; ..." |
接続パラメータを指定します。 |
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-d |
トランザクションログファイルがあっても、それをバックアップしないで、メインデータベースファイルだけをバックアップします。 |
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-h[ - ] |
バックアップ履歴を有効にし、backup.syb ファイルに行を追加します。-h- を指定するとバックアップ履歴が無効になり、backup.syb ファイルが更新されなくなります。-h オプションと -h- オプションは必ず -s オプションと一緒に使用してください。 |
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-k checkpoint-log-copy-option |
バックアップ先のディレクトリに書き込む前に dbbackup でデータベースファイルに対してどのような処理を実行するかを指定します。バックアップ中に更新前イメージを適用するか、チェックポイントログをバックアップとしてコピーするかを選択します。どちらを選択するかによって、パフォーマンスに違いが生じます。-s オプションを指定してサーバ側でバックアップを実行する場合、-k のデフォルト設定は auto です。それ以外の場合は、copy がデフォルト設定となります。
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-l filename |
サーバがクラッシュした場合に第 2 のシステムをすばやく起動できるようにします。サーバが実行されている間、ライブバックアップは停止しないで実行を続けます。ライブバックアップは、プライマリサーバが使用できなくなるまで実行されます。クラッシュが発生した時点でライブバックアップは停止しますが、バックアップされたログファイルはそのまま残り、第 2 のシステムを即座に起動するために使用できます。ライブバックアップとトランザクションログミラーの違いとライブバックアップの作成を参照してください。 -l を指定する場合は、-s を使用してサーバ上にバックアップを作成できません。 |
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-n |
バックアップトランザクションログファイルの命名規則を yymmddxx.log に変更します。xx は AA から ZZ までの連続した英字を表し、yymmdd は現在の年月日を表します。このオプションは -r と一緒に使用します。 トランザクションログファイルのバックアップコピーは、yymmddxx.log の命名規則に基づいて、コマンドで指定したディレクトリに保存されます。これにより、トランザクションログファイルの複数のバージョンのバックアップを、同じバックアップディレクトリに保存することができます。 また、-x オプションと -n オプションの両方を使用して、ログコピーの名前を変更することもできます。次に例を示します。
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-o filename |
指定したファイルに、出力メッセージを書き込みます。 |
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-p |
データベースサーバからクライアントに、フォーマットされた進行メッセージを送信します。 -s オプションを使用してサーバ側のバックアップを実行しないかぎり、-p オプションは無視されます。 フォーマットされた進行メッセージの詳細については、progress_messages オプション を参照してください。 |
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-q |
出力メッセージを表示しません。このオプションは、このユーティリティをコマンドプロンプトで実行する場合のみ使用できます。 |
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-r |
トランザクションログの名前を変更して新しいログを開始します。このオプションを使用すると、チェックポイントが発生し、次の 3 つの手順が発生します。
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-s |
BACKUP DATABASE 文を使用して、サーバ上にイメージのバックアップを作成します。-s オプションを指定する場合、-l オプション (トランザクションログのライブバックアップを作成) は使用できません。指定されたディレクトリは、サーバの現在のディレクトリに対する相対パスなので、完全パス名を指定することをおすすめします。さらに、サーバには指定されたディレクトリへの書き込みパーミッションが必要です。-s を指定すると、バックアップユーティリティは進行状況のメッセージを表示せず、既存のファイルを上書きするときにプロンプトを表示しません。既存のファイルを上書きするときにプロンプトを表示させる場合は、-s または -y を指定しないでください。-k リカバリオプションを指定する場合は、-s オプションも必ず指定してください。 |
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-t |
トランザクションログをデータベースファイルの最新のバックアップコピーに対して適用できるので、インクリメンタルバックアップとして使用できるバックアップを作成します。 |
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-wa |
トランザクションが完了してトランザクションログの名前変更またはトランケートが行われるまで待機します。-wa オプションは必ず -s オプションと一緒に使用してください。 |
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-wb |
アクティブなトランザクションがなくなるまで、データベースのバックアップを遅らせます。-wb オプションは必ず -s オプションと一緒に使用してください。 |
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-x |
既存のトランザクションログをバックアップし、元のログを削除して、新しいトランザクションログを開始します。データベースミラーリングを使用している場合は、このオプションを使用しないでください。データベースミラーリングシステムでのトランザクションログの管理を参照してください。 |
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-xo |
現在のトランザクションログを削除して、新しいトランザクションログを開始します。この操作では、バックアップは実行されません。この操作の目的は、レプリケーション環境以外の環境でディスク領域を解放することです。データベースミラーリングを使用している場合は、このオプションを使用しないでください。データベースミラーリングシステムでのトランザクションログの管理を参照してください。 警告このオプションを使用すると、データベースがメディア障害からリカバリできなくなる可能性があります。このオプションは、データの損失を許容できる場合にのみ使用してください。 レプリケートされるデータベースまたは同期されるデータベースでは、-xo オプションを使わないでください。SQL Remote と Mobile Link はトランザクションログ情報に依存します。 |
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-y |
確認メッセージを表示することなく、バックアップディレクトリを作成するか、ディレクトリ内の既存のバックアップファイルを置き換えます。既存のファイルを上書きしようとするときにプロンプトを表示させる場合は、-s または -y を指定しないでください。 |
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target-directory |
バックアップファイルのコピー先ディレクトリを指定します。このディレクトリが存在しない場合は作成されます。ただし、親ディレクトリが存在していなければなりません。デフォルトでは、バックアップユーティリティは、データベースファイルのクライアント側のバックアップを作成します。-s オプションを指定すると、BACKUP DATABASE 文を使用してサーバ上にバックアップを作成できます。 |
BACKUP DATABASE システム権限が必要です。
バックアップユーティリティを使うと、すべてのバックアップコピーを単一データベースに作成することができます。単純なデータベースは、メインデータベースファイルとトランザクションログの 2 つのファイルで構成されます。より複雑なデータベースは、複数のファイルにテーブルを格納できます。各ファイルは個別の DB 領域となります。すべてのバックアップデータベースファイル名はデータベースファイル名と同じです。バックアップユーティリティで作成したイメージのバックアップは、バックアップされた各ファイルの別ファイルで構成されます。
アーカイブバックアップ (データベースファイルとトランザクションログを含む 1 つのファイル) 作成の詳細については、アーカイブバックアップを参照してください。
実行中のデータベースに対してバックアップユーティリティを使用するのは、データベースが実行されていないときにデータベースファイルをコピーするのと同じです。バックアップユーティリティを使用すると、他のアプリケーションやユーザがデータベースを使用しているときでも、そのデータベースをバックアップできます。
-d または -t のいずれのオプションも使用されていない場合は、すべてのデータベースファイルがバックアップされます。
デフォルトでは、バックアップユーティリティは、データベースファイルのクライアント側のバックアップを作成します。-s オプションを指定すると、BACKUP DATABASE 文を使用してサーバ上にバックアップを作成できます。
サーバ側でのバックアップ実行の詳細については、BACKUP 文を参照してください。
データベースとトランザクションログのバックアップコピーには、どのような変更でも加えるべきではありません。バックアップ中に処理中のトランザクションがなかった場合、または BACKUP DATABASE WITH CHECKPOINT LOG RECOVER か WITH CHECKPOINT LOG NO COPY を指定した場合は、読み込み専用モードを使用するか、バックアップデータベースのコピーを検証して、バックアップデータベースの妥当性をチェックできます。
一方、トランザクションの処理中だった場合、または BACKUP DATABASE WITH CHECKPOINT LOG COPY を指定した場合は、検証の開始時にデータベースサーバがデータベースのリカバリを実行する必要が生じます。リカバリを実行するとバックアップコピーに変更が加えられますが、これは望ましいことではありません。
終了コードは、0 (成功) または 0 以外の値 (失敗) です。
終了コードの詳細については、ソフトウェアコンポーネントの終了コードを参照してください。
たとえば、次のコマンドは、DBA ユーザとして sample_host という名前のコンピュータに接続し、このコンピュータで実行中のサンプルデータベースを SQLAnybackup ディレクトリにバックアップします。
dbbackup -c "Host=sample_host;DBN=demo;UID=DBA;PWD=sql" SQLAnybackup |
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