チュートリアル：読み込み専用スケールアウトシステムへのミラーリングシステムの追加

このチュートリアルでは、既存の読み込み専用スケールアウトシステムにミラーリングシステムを追加する方法について説明します。読み込み専用スケールアウトシステムのルートはミラーサーバにもなります。

前提条件

このチュートリアルは、チュートリアル：読み込み専用スケールアウトシステムの作成の説明に従って読み込み専用スケールアウトシステムを実行していることを前提としています。

読み込み専用スケールアウトシステムのルートノードを、ミラーリングシステム内のプライマリサーバとなるように設定します。それには、ミラーサーバを定義し、監視サーバを作成して、コピーノードをミラーリングシステムのミラーパートナになるように変換します。

MANAGE ANY MIRROR SERVER システム権限が必要です。

このチュートリアルでは、データベースのコピーのバックアップを作成します。選択するバックアップ方法に応じて、その方法に対して適切な権限を参照してください。

内容と備考

このチュートリアルでは、すべてのデータベースサーバが同じコンピュータ上で実行されていることを想定しています。ただし、運用環境では、各データベースサーバを別々のコンピュータにインストールする必要があります。

異なるコンピュータで実行されているデータベースサーバでこのチュートリアルを使用する場合は、接続文字列内の localhost への参照を実際のコンピュータ名に変更する必要があります。

♦ タスク

読み込み専用スケールアウトシステムのルートノードに接続します。次のコマンドを実行します。
dbisql -c "UID=DBA;PWD=sql;SERVER=scaleout_root_demo"

プライマリサーバとミラーサーバを定義します。次の文を実行します。

-- Alter existing primary to include both partners 
ALTER MIRROR SERVER scaleout_primary_demo 
connection_string='SERVER=scaleout_primary_demo;HOST=localhost:6871,localhost:6873';  

-- Alter existing Partner to include state file 
ALTER MIRROR SERVER scaleout_root_demo state_file='c:\\scaleoutdemo\\server1\\server1.state';

-- Define mirror 
CREATE MIRROR SERVER scaleout_mirror_demo AS MIRROR
connection_string='SERVER=scaleout_mirror_demo;HOST=localhost:6871,localhost:6873';

--Convert an existing copy node to the mirror server

ALTER MIRROR SERVER scaleout_child_demo 
connection_string='SERVER=scaleout_child_demo;HOST=localhost:6873' 
state_file='c:\\scaleoutdemo\\copynode\\server3.state';

既存のコピーノードをミラーサーバに変換します。次の文を実行します。

--Convert an existing copy node to the mirror server

ALTER MIRROR SERVER scaleout_child_demo 
connection_string='SERVER=scaleout_child_demo;HOST=localhost:6873' 
state_file='c:\\scaleoutdemo\\copynode\\server3.state';

ミラーリングシステムの監視サーバになるサーバを起動します。次のコマンドを実行します。

mkdir c:\scaleoutdemo\arbiter

dbsrv16 -n scaleout_arbiter_demo -su sql -x "TCPIP(PORT=6870)" -xf "c:\\scaleoutdemo\\arbiter\\arbiter.state" -xa "AUTH=abc;DBN=scaleoutdemo"

ルートノードに接続し、監視サーバを追加します。次の文を実行します。

dbisql -c "UID=DBA;PWD=sql;SERVER=scaleout_primary_demo"

CREATE MIRROR SERVER scaleout_arbiter_demo
AS ARBITER 
connection_string ='SERVER=scaleout_arbiter_demo;HOST=localhost:6870';

既存のコピーノードをミラーサーバに変換します。次の文を実行します。

ALTER MIRROR SERVER scaleout_child_demo AS PARTNER state_file='c:\\scaleoutdemo\\copynode\\server3.state'

SYSMIRRORSERVER テーブルの内容を調べて、scaleout_child_demo がミラーサーバであることを確認します。次のコマンドを実行します。

dbisql -c "UID=DBA;PWD=sql;SERVER=scaleout_primary_demo" "SELECT  server_name, server_type FROM SYSMIRRORSERVER"

これで、scaleout_child_demo サーバが 2 台目の「パートナ」サーバになります。

クライアントアプリケーション内の接続文字列を更新し、Host 接続パラメータで両方のパートナのアドレスを指定します。次に例を示します。

dbping -c "UID=DBA;PWD=sql;SERVER=scaleout_primary_demo;HOST=localhost:6871,localhost:6873"

(省略可) 別のコピーノードを追加します。

プライマリデータベースのバックアップコピーを作成し、ディレクトリ c:\scaleoutdemo\copynode2 に格納します。

次の文を実行します。

BACKUP DATABASE DIRECTORY 'c:\\scaleoutdemo\\copynode2';

データベースのバックアップコピーを scaleout_root_demo データベースサーバの子 (コピーノード) として起動します。次のコマンドを実行します。

dbsrv16 -n scaleout_child2_demo -su sql -x TCPIP(port=6874) "c:\scaleoutdemo\copynode2\scaleoutdemo.db" -xp on

結果

これで、読み込み専用スケールアウトシステムがミラーリングシステムの一部にもなります。

参照

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