統計ガバナーでは、クエリが実行されるときにカラム統計を自動調整する以外に、オプティマイザ統計の正常性と使用状況もモニタします。統計ガバナーでは、データベース内の各統計の正常性と有用性を自動的に評価し、統計を自己モニタして自己回復できるように、必要な保守を実行します。統計の保守はバックグラウンドで実行され、データベースサーバのパフォーマンスに対する大幅な負荷は発生しません。
統計ガバナーによって、以下のタスクが実行されます。
update_statistics オプションは、指定した接続が統計ガバナーにクエリフィードバックを送信できるかどうかを制御します。このオプションが Off に設定されている場合、統計ガバナーは指定した接続からクエリフィードバックを受け取りません。ただし、統計ガバナーはその他の接続からクエリフィードバックを受け取り、統計の保守操作を実行できます。
統計ガバナーは、統計の正常性と使用状況に基づいて、いつ統計を修正または作成するかを決定します。統計を修正または作成するには、クエリの実行中に統計情報を収集するか、または統計クリーナーと呼ばれる独立したプロセスを実行します。統計ガバナーを無効にすることなく、統計クリーナーを無効にするには、sa_server_option システムプロシージャの StatisticsCleaner オプションを使用します。ただし、統計クリーナーをオフにすると、クエリの実行時にのみ統計が作成または修正されます。
サーバの負荷を減らすために、統計ガバナーは修正が困難な統計や使用されない統計の保守を停止します。短期間に何回も修正され、精度の低い推定を返す統計は削除され、30 日間保守されません。削除された統計は 30 日後に再作成され、定期的な保守が再開されます。sa_server_option システムプロシージャの DropBadStatistics オプションを使用すると、この機能を無効にできます。最近 90 日間に使用されなかった統計も削除されます。この機能を無効にするには、sa_server_option システムプロシージャの DropUnusedStatistics オプションを使用します。CREATE STATISTICS、DROP STATISTICS、または ALTER STATISTICS 文を使用すると、統計の保守をいつでも再開できます。
統計はメモリにロードされているテーブルに対してのみモニタされます。これらの統計は 30 分ごとにフラッシュされます。フラッシュする間に、統計の正常性と使用状況が検査され、統計ガバナーが統計の保守を実行します。統計のステータス情報 (正常性、使用状況、統計の更新または削除に関する情報など) はセッション間で保持されません。データベースサーバが停止されると、ステータス情報はリセットされます。
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