データベースとそのトランザクションログの保存に必要なディレクトリ、およびメッセージのディレクトリ構造を作成します。また、リモートユーザおよびデータのレプリケートに必要なパブリケーションとサブスクリプションなど、統合データベースのスキーマを定義します。
前提条件
SYS_REPLICATION_ADMIN_ROLE システムロールが必要です。
内容と備考
SQL Remote が統合データベースに対して稼働する場合、FILE メッセージシステムを使用してメッセージを送受信しますが、リモートデータベースは HTTP メッセージシステムを使用します。
統合データベースとリモートデータベースを保持するため次のディレクトリを作成します。
統合データベース、リモートデータベース、メッセージサーバデータベースが生成したメッセージファイルを格納するために、次のディレクトリを作成します。
c:\tutorial\cons ディレクトリから次のコマンドを実行して、統合データベース (cons) を作成します。
dbinit -dba DBA,sql cons.db |
統合データベースを起動します。
dbeng16 -n cons c:\tutorial\cons\cons.db -xs http(port=8033) |
これは、リモートデータベースからの HTTP 要求を受信し、c:\tutorial\messages ディレクトリに存在するメッセージファイルにアクセスするデータベースサーバであるため、コマンドラインには -xs http(8033) が必要です。データベースサーバが起動した時点では Web サービスは定義されていませんが、次のレッスンで作成されます。このレッスンでは、パーソナルデータベースサーバのみを起動します。したがって、このコンピュータの SQL Remote プロセスだけが、HTTP を使用してメッセージサーバと通信できます。生産環境では通常、他のコンピュータ上の SQL Remote プロセスも Web サービスにアクセスできるよう、ネットワークサーバを使用するはずです。 -xs の使用の詳細については、-xs データベースサーバオプションを参照してください。
Interactive SQL を使用して、SYS_REPLICATION_ADMIN_ROLE システムロールを持つユーザとして統合データベース (cons) に接続します。
dbisql -c "SERVER=cons;DBN=cons;UID=DBA;PWD=sql" |
統合データベース (cons) のグローバルデータベース ID を設定するには、次の文を実行します (GLOBAL AUTOINCREMENT デフォルトを使用する場合には、すべてのデータベースに排他的なプライマリキーが選択されるようグローバルデータベース ID が必要です)。
SET OPTION public.global_database_id=0; |
このチュートリアルのデータベースのスキーマは、1 つのテーブルから構成され、テーブルのすべてのカラムとローはすべてのリモートユーザにレプリケートされます。統合データベース (cons) 用に次の文を実行し、データベースに 1 つのテーブルを作成します。
CREATE TABLE employees ( employee_id BIGINT NOT NULL DEFAULT GLOBAL AUTOINCREMENT(1000000) PRIMARY KEY, first_name VARCHAR(128) NOT NULL, last_name VARCHAR(128) NOT NULL, hire_date TIMESTAMP NOT NULL DEFAULT TIMESTAMP ); |
統合データベース (cons) で次の文を実行し、サンプルデータを従業員テーブルに追加します。
INSERT INTO employees (first_name, last_name) VALUES ('Kelly', 'Meloy'); INSERT INTO employees (first_name, last_name) VALUES ('Melisa', 'Boysen'); COMMIT; |
統合データベース (cons) で次の文を実行し、そのテーブルが作成され、データが挿入されていることを確認します。
SELECT * FROM employees; |
クエリは、従業員テーブルから次のデータを返します。ただし、hire_date カラムには、次のテーブルにある値ではなく、そのローを挿入した時間が記載されます。
employee_id | first_name | last_name | hire_date |
---|---|---|---|
1 | Kelly | Meloy | 2011-03-25 08:27:56.310 |
2 | Melisa | Boysen | 2011-03-25 08:27:56.310 |
このチュートリアルでは、パブリッシャとリモートユーザにはパスワードが割り当てられます。これは、統合データベースが HTTP メッセージシステム用のメッセージサーバとして動作するためです。次の文を実行して、CONNECT と PUBLISH の権限を持つユーザ cons を作成します。
GRANT CONNECT TO cons; GRANT PUBLISH TO cons; |
パフォーマンス上の理由から、HTTP メッセージシステムはリモートデータベースのみで使用することができ、統合データベースでは使用できません。次の文は、統合データベースで FILE ベースのメッセージシステムを使用する設定を行うものです。
CREATE REMOTE MESSAGE TYPE FILE ADDRESS 'cons'; SET REMOTE FILE OPTION public.directory='c:\\tutorial\\messages'; SET REMOTE FILE OPTION public.debug='yes'; |
次の文を実行して、リモートユーザ rem をパスワードなしで作成します。次に、REMOTE 権限を付与し、FILE メッセージシステムにユーザのアドレスを定義します。
GRANT CONNECT TO rem IDENTIFIED BY rem; GRANT REMOTE TO rem TYPE FILE ADDRESS 'rem'; |
パブリケーションでは、レプリケートされるデータセットを説明します。従業員テーブルのすべてのローをレプリケートする pub_employees という名前のパブリケーションを作成します。パブリケーションに対してユーザをサブスクライブするには、サブスクリプションを作成します。
CREATE PUBLICATION pub_employees ( TABLE employees ); CREATE SUBSCRIPTION TO pub_employees FOR rem; |
Interactive SQL との接続を切断します。
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