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SAP Sybase SQL Anywhere 16.0 » SQL Remote » チュートリアル:メッセージサーバとして HTTP メッセージシステムと統合データベースを使用するレプリケーションシステムの設定

 

レッスン 1:統合データベースの作成

データベースとそのトランザクションログの保存に必要なディレクトリ、およびメッセージのディレクトリ構造を作成します。また、リモートユーザおよびデータのレプリケートに必要なパブリケーションとサブスクリプションなど、統合データベースのスキーマを定義します。

前提条件

SYS_REPLICATION_ADMIN_ROLE システムロールが必要です。

内容と備考

SQL Remote が統合データベースに対して稼働する場合、FILE メッセージシステムを使用してメッセージを送受信しますが、リモートデータベースは HTTP メッセージシステムを使用します。

 ♦ タスク
  1. 統合データベースとリモートデータベースを保持するため次のディレクトリを作成します。

    • c:\tutorial
    • c:\tutorial\cons
    • c:\tutorial\rem
  2. 統合データベース、リモートデータベース、メッセージサーバデータベースが生成したメッセージファイルを格納するために、次のディレクトリを作成します。

    • c:\tutorial\messages
    • c:\tutorial\messages\cons
    • c:\tutorial\messages\rem
  3. c:\tutorial\cons ディレクトリから次のコマンドを実行して、統合データベース (cons) を作成します。

    dbinit -dba DBA,sql cons.db
  4. 統合データベースを起動します。

    dbeng16 -n cons c:\tutorial\cons\cons.db -xs http(port=8033)

    これは、リモートデータベースからの HTTP 要求を受信し、c:\tutorial\messages ディレクトリに存在するメッセージファイルにアクセスするデータベースサーバであるため、コマンドラインには -xs http(8033) が必要です。データベースサーバが起動した時点では Web サービスは定義されていませんが、次のレッスンで作成されます。このレッスンでは、パーソナルデータベースサーバのみを起動します。したがって、このコンピュータの SQL Remote プロセスだけが、HTTP を使用してメッセージサーバと通信できます。生産環境では通常、他のコンピュータ上の SQL Remote プロセスも Web サービスにアクセスできるよう、ネットワークサーバを使用するはずです。 -xs の使用の詳細については、-xs データベースサーバオプションを参照してください。

  5. Interactive SQL を使用して、SYS_REPLICATION_ADMIN_ROLE システムロールを持つユーザとして統合データベース (cons) に接続します。

    dbisql -c "SERVER=cons;DBN=cons;UID=DBA;PWD=sql"
  6. 統合データベース (cons) のグローバルデータベース ID を設定するには、次の文を実行します (GLOBAL AUTOINCREMENT デフォルトを使用する場合には、すべてのデータベースに排他的なプライマリキーが選択されるようグローバルデータベース ID が必要です)。

    SET OPTION public.global_database_id=0;
  7. このチュートリアルのデータベースのスキーマは、1 つのテーブルから構成され、テーブルのすべてのカラムとローはすべてのリモートユーザにレプリケートされます。統合データベース (cons) 用に次の文を実行し、データベースに 1 つのテーブルを作成します。

    CREATE TABLE employees (
         employee_id BIGINT NOT NULL DEFAULT GLOBAL AUTOINCREMENT(1000000) PRIMARY KEY,
         first_name VARCHAR(128) NOT NULL,
         last_name VARCHAR(128) NOT NULL,
         hire_date TIMESTAMP NOT NULL DEFAULT TIMESTAMP
    );
  8. 統合データベース (cons) で次の文を実行し、サンプルデータを従業員テーブルに追加します。

    INSERT INTO employees (first_name, last_name) VALUES ('Kelly', 'Meloy');
    INSERT INTO employees (first_name, last_name) VALUES ('Melisa', 'Boysen');
    COMMIT;
  9. 統合データベース (cons) で次の文を実行し、そのテーブルが作成され、データが挿入されていることを確認します。

    SELECT * FROM employees;

    クエリは、従業員テーブルから次のデータを返します。ただし、hire_date カラムには、次のテーブルにある値ではなく、そのローを挿入した時間が記載されます。

    employee_id first_name last_name hire_date
    1 Kelly Meloy 2011-03-25 08:27:56.310
    2 Melisa Boysen 2011-03-25 08:27:56.310
  10. このチュートリアルでは、パブリッシャとリモートユーザにはパスワードが割り当てられます。これは、統合データベースが HTTP メッセージシステム用のメッセージサーバとして動作するためです。次の文を実行して、CONNECT と PUBLISH の権限を持つユーザ cons を作成します。

    GRANT CONNECT TO cons;
    GRANT PUBLISH TO cons;
  11. パフォーマンス上の理由から、HTTP メッセージシステムはリモートデータベースのみで使用することができ、統合データベースでは使用できません。次の文は、統合データベースで FILE ベースのメッセージシステムを使用する設定を行うものです。

    CREATE REMOTE MESSAGE TYPE FILE ADDRESS 'cons';
    SET REMOTE FILE OPTION public.directory='c:\\tutorial\\messages';
    SET REMOTE FILE OPTION public.debug='yes'; 
  12. 次の文を実行して、リモートユーザ rem をパスワードなしで作成します。次に、REMOTE 権限を付与し、FILE メッセージシステムにユーザのアドレスを定義します。

    GRANT CONNECT TO rem IDENTIFIED BY rem;
    GRANT REMOTE TO rem TYPE FILE ADDRESS 'rem';
  13. パブリケーションでは、レプリケートされるデータセットを説明します。従業員テーブルのすべてのローをレプリケートする pub_employees という名前のパブリケーションを作成します。パブリケーションに対してユーザをサブスクライブするには、サブスクリプションを作成します。

    CREATE PUBLICATION pub_employees ( TABLE employees );
    CREATE SUBSCRIPTION TO pub_employees FOR rem;
  14. Interactive SQL との接続を切断します。

結果

データベースとそのトランザクションログの保存に必要なディレクトリ、およびメッセージのディレクトリ構造が作成されます。リモートユーザおよびデータのレプリケートに必要なパブリケーションとサブスクリプションの作成など、統合データベースのスキーマが定義されます。